DISCUSSIONPAPERNO.18 地方公共団体が設置する公設試験研究機問における 研究課題評価の仕組みに関する一考察 2001年9月 文部科学省 科学技術政策研究所第3調査研究グループ 新船洋一 本DISCUSSION PAPERは、所内の討論に用いるとともに、関係の方々からご意見をいただくことを目的に作成したものである。従って、本ペーパーの内容については、所内で討論をしているものの、あくまでも執筆者の見解に基づいてまとめられたものであることに留意されたい。 また、本ペーパーで引用した各種データの集計・計算結果、また各県の担当者の方へのインタビュー調査を踏まえた各県の研究課題評価の現状に関する記述・文章表現についての責任は、執筆者個人にあることも付記する。 目 次 はじめにl l 1 2 (1) 本論文の目的 (2) インタビュー調査の結果とそれに基づく筆者の見解 (3) 本論文の構成 第1章 都道府県及び政令指定都市が設置運営する公設試験研究機関における研究課題評価の実施状況 ‥‥‥‥‥・‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥・ (1) 公共試験研究機関における研究課題評価の実施状況等に関する調査の 概要・‥‥・‥・‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥・‥‥‥‥‥‥・‥‥‥‥‥‥・ (2) 公設試験研究機関における研究課題評価の実施状況 ‥‥・‥‥‥‥‥・ 第2章 インタビュー調査結果の概要 ‥・‥‥‥‥‥‥・‥‥‥‥‥‥‥‥‥・ (1) インタビュー調査を行うに当たっての問題意識 ‥‥‥‥‥・‥‥‥・‥・ (2) 研究評価システムを構築した2つの地方公共団体とその実状 ‥‥‥・‥ (3) これから研究課題評価のための仕組みを構築しようとしている2団体の 取り組み ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥・‥‥‥‥‥‥‥‥ 第3章 まとめ・‥‥‥・‥‥・‥‥・‥‥‥‥・‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥・‥・‥ (1) 他の地方公共団体の仕組みの一部をそのまま取り入れることの危険性 (2) 研究課題評価の目的を明確にする必要性 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥・‥‥ (3) 最適な研究課題評価の仕組みを模索していくことが肝要である ‥‥・ (4) 国の支援・‥‥‥‥‥‥‥‥・‥‥‥‥‥・‥‥‥・‥‥‥・‥‥‥‥‥ おわりに 謝辞 …………………………………………………………・24 参考文献 資料 …………………………………………………………・27 9 9 9 0 1 33 3 6 6 6 1  1  1  2  2 はじめに (1) 本論文の目的 近年、都道府県・政令指定都市においては、地域における科学技術振興を通じて、地域経済の活性化、あるいは地域の(特に衛生・環境面での)福祉向上を図ろうとする動きが盛んになっている。このような都道府県・政令指定都市(以下、「地方公共団体」と言う。)が行っている科学技術振興施策に係る経費(合計で約8,000億円)のうち、それらの団体が設置している公設試験研究機関に係る経費が占める割合は約45%であり、公設試験研究機関において研究開発を行っている職員の数は約16,000人にものぼる。このため、これだけの費用をかけ、人的資源を有している公設試験研究機関を自らの地域における科学技術活動の中枢機関としていかに効果的に活用するかを重要な課題と考え、そのための一方策 として研究課題評価の導入による公設試験研究機関での研究開発活動の活性化を目指す地方公共団体が目に付くようになった。 文部科学省科学技術政策研究所では、このように増えつつあると考えられる地方公共団体の公設試験研究機関における研究課題評価に着目して、その実施状況調査を平成12年度に行ったところであるが、その結果、研究課題評価を実施していると回答した団体は多かったものの、設置するすべての公設試験研究機関を網羅する全庁的な研究課題評価の仕組みを整備済みの団体は少ないことが判明した。 この調査データを踏まえ、筆者は、科学技術振興施策を総合的に推進していくことを選択し、そのための体制整備を進めている地方公共団体が増えてきたこと、そして地方公共団体の財政事情が悪化していることからすれば、今後、全庁的な評価委員会で公設試験研究機関における課題評価を実施する方向に向かう団体が増えるのではないかと予想した。 本論文は、そのような予想に基づいて、全庁的な研究評価委員会を設けているいくつか の地方公共団体を訪問して、それらの地方公共団体における科学技術振興のための組織・体制、研究課題評価を実施するための仕組みや評価の目的とそのための工夫等について調査した結果を記すことで、今後全庁的な研究課題評価のための委員会を設置しようとしている地方公共団体、あるいは従来の評価方法を見直していこうとする地方公共団体が、その研究課題評価のための仕組みを決定する際の一助とすることを目的としている。 (2)インタビュー調査の結果とそれに基づく筆者の見解 筆者は、上記のような考え方に基づき、既に全庁的な評価委員会を設けている団体を訪問したところ、訪問する前に筆者が考えていた以上に、各地方公共団体における仕組みは異なっており、各団体の担当者が苦心されて現在の仕組みを構築されたことがうかがわれた。また、このような熱心な取り組みをされている団体においては、単に研究課題評価のための仕組みだけではなく、県全体で総合的に科学技術振興を進めていくための体制作りがなされており、研究課題評価の仕組みを考えるに際しては、県として科学技術振興をいかにして進めていくか、また、その中で公設試験研究機関が果たすべき役割は何かということを踏まえ、研究課題評価を行う目的を明確にした上で、その仕組みを考えるべきではないかと考えるに及んだ。さらに、このように熱心に研究課題評価を行っているがゆえに、研究課題評価に係る評価者、被評価者、事務局の負担が大きいという問題もあることを知った。 筆者は、以上のような調査の成果を踏まえ、全庁的な研究課題評価委員会という仕組みだけを安易に自団体に取り入れることの危険性を指摘するとともに、研究課題評価の仕組みを構築するには目的を明確にする必要性があること、また仕組みを構築した後も最適な仕組みを模索していくことの必要性があることを主張する。また、研究評価を進めていく に際して地方公共団体が抱えている問題点を解決していくために、国がその問題点を調査 し、解決策を検討するための研究会を設置することを提言する。 (3)本論文の構成 本論文の構成は以下のとおりである。 第1章においては、文部科学省科学技術政策研究所で実施した「地域における科学技術振興に関する調査(第5回調査)」に収録されたデータから、公設試験研究機関における研究課題評価の実施状況に関する部分を抜粋した上で、その概要について述べる。 第2章では、第1章で分類したいくつかのタイプの中から、研究課題評価のための仕組みが構築されていると思われる代表的な地方公共団体へのインタビュー調査の結果を紹介する。ここでは、各地方公共団体が、それぞれの研究評価システムを作った目的や目的を果たすためにどのような工夫をしているのか、また、どの程度の費用や事務量がかかっているのかという負担の面を中心に紹介することで、今後研究課題評価のあり方を検討しようと考えている地方公共団体の参考になるデータを提供する。 第3章では、上記インタビュー調査の結果を踏まえて、公設試験研究機関における研究課題評価の仕組みを整備しようとする際に、留意すべき点を記すとともに、地方公共団体が研究課題評価を進めて行くに当たり抱えている問題点の解決のため、国が支援することを提案するものである。 第1章 都道府県及び政令指定都市が設置運営する公設試験研究機関における 研究課題評価の実施状況 (1)公設試験研究機関における研究課題評価の実施状況等に関する調査の概要 本論文の基礎データである「公設試験研究機関における研究課題評価の実施状況等に関する調査」は、文部科学省科学技術政策研究所が都道府県及び政令指定都市の関係各課の協力を得て平成12(2000)年度に実施した「地域における科学技術振興に関する調査研 究(第5回調査)」の中で行った調査の一つである。調査対象である公設試験研究機関とは、各都道府県・政令指定都市が設置運営している研究機関であり、その研究分野は工業関係、農業関係、衛生関係及び土木関係と多岐に渡っている。なお、理科高等教育機関の付置研究所については調査対象外とした。主な調査の項目は、公設試験研究機関における研究課題評価及びそれらの機関の機関評価を実施しているかどうか、実施している場合は、評価のための委員会の委員構成、任期、評価の目的等である。47都道府県及び12政令指定都市にアンケートを郵送し、全団体から回答を得たものである。 (2)公設試験研究機関における研究課題評価の実施状況上記の調査の中において、「何らかの形で公設試験研究機関における研究課題評価を実施していますか。」という設問に対して59の地方公共団体中49団体がYESと回答した。 各団体の回答内容を踏まえて、それら49団体の実施方法を細かく見てみると、全庁的な研究評価委員会を設け、設置する公設試験研究機関の研究課題評価を一括して実施していると思われる団体が3団体、全庁的な委員会はないが、研究課題評価のための指針等を作成し、各公設試験研究機関がそれに基づいて研究課題評価を実施していると思われる団体が3団体、商工部・農林部といった部局毎に研究課題評価委員会を設け、各委員会で所管の公設試験研究機関の研究課題評価を一括して実施していると思われる団体が11団体(ただし、11団体とも、公設試験研究機関を所管しているすべての部に評価委員会が設けられているわけではなく、ある部では評価委員会を設置しているが、他の部では設置していないというのが実態である。)、部局毎に評価のための指針を策定し各機関がそれに基づいて実施していると思われる団体が14団体(ただし、指針等を策定していない部局がある団体も含む)、各機関が独自に研究課題評価を実施していると思われる団体が15団体、その他の方法で研究課題評価を実施していると思われる団体が3団体であった。【表1−1参照】 以上のデータからは、公設試験研究機関を設置している地方公共団体の多くは、「研究課題評価を行っている。」が、実施形態から見れば、個々の公設試験研究機関で自らの研究評価を行っているのがほとんどであると推測することができる。また、部局毎に評価委員会を設置していると回答してきた11団体には公設試験研究機関を設置しているすべての部局に評価委員会があるわけではなく、設置しているすべての公設試験研究機関を網羅する研究課題評価のための仕組みが構築されていると考えられる団体は、全庁的な評価委員会で 表1−1 研究課題評価を実施していると回答した地方公共団体の実施状況 全庁的な研究開発評価委員会を設置し、全公設試験研究機関の全研究課題をそこで評価している団体数(評価を分野ごとの部会に分かれて行っている場合を含む。)3団体 研究開発評価のための全庁的な指針等を作成されており、各公設試験研究機関がそれに基づいて評価を行っている団体数3団体 部局単位で委員会を設置している団体数(特定の部局だけが設置し、設置していない部局もある場合)11団体 部局単位で研究評価のための要綱・指針を策定し、その部局の公設試ではそれに従って研究評価をしている団体数(特定 の部局だけが要綱等を策定し、策定していない部局もある場合)14団体 全庁的あるいは部局単位の委員会・要綱等はないが、各公設言式が独自に研究課題評価を実施している団体数(一部の機関だけが実施しており、未実施の公設試もある団体も含む)15団体 その他の方法で研究課題評価を実施している団体数3団体 注意:上記の分類は、各地方公共団体からの回答結果及び筆者の ヒアリング調査結果に基づくもの)であり、どの地方公共団体を どのタイプに分類するかについては、筆者の個人的な責任で 行ったものである。 一括して評価を実施していると回答した3県と全庁的な評価のための指針を策定していると回答した3県等であり、(ただし、その他の3県の中には、評価委員会は設けていないが、事務局がテーマごとに専門家1人に技術的な面で評価を依頼し、政策的な面での評価は事務局長が行うタイプの評価をしている県があり、そのような県も含めることができるよう。)自らが設置している公設試験研究機関の研究課題評価をどのように進めていくかについて、県(市)全体で明確な方針をたて、そのための仕組みを整備している団体は少ないのが現状であると言うことができると思われる。 ところで、近年、科学技術振興を総合的に進めていくために、大綱や長期計画を策定したり、総合的に科学技術振興を行うための専任部署を設ける地方公共団体が増えている。このような(部局毎の縦割りではなく)総合的に科学技術振興を進めていくことを選択した地方公共団体では、公設試験研究機関における研究課題評価を各機関でばらばらに行うのではなく統一された基準で実施する方向に向かうことが予想される。また、地方公共団体の財政状況の悪化も大きな影響を与えるに違いない。例えば、公設試験研究機関が地域の科学技術基盤の中核である団体では、現状の研究職員・施設を維持しながら、いかに効果的な研究開発を行うか、あるいは研究課題の絞り込みによる予算の重点配分を狙って、全庁的な評価委員会を設けて、研究課題評価を一括して行うことが考えられる。また、地域内に大学等の研究基盤が充実している団体では、公設試験研究機関の主たる業務を技術指導や相談業務へシフトし、研究開発業務を縮小する方向に動くかもしれず、その場合でも全庁的な評価委員会を設けて、公設試験研究機関がなすべき研究の課題をコントロールする方向に向かうことが予想される。 これらのことを考えると、公設試験研究機関における研究課題評価の仕組みは、ここ何 年かで大きく変化すると思われ、特に全庁的な評価委員会を設けてすべての公設試験研究機関の研究課題を一括して評価し、その結果を予算に反映していく地方公共団体が増える のではないかと予想する。 第2章 インタビュー調査結果の概要 (1)インタビュー調査を行うに当たっての問題意識 第1章で筆者は、全庁的な研究評価委員会を設ける地方公共団体が増えるのではないかと予想した。科学技術振興政策に関する大綱を策定し、科学技術政策を総合的に進めるための専任部署を設けるなど、県の科学技術振興を部局別ではなく総合的に進めることを選んだ団体が増えてきたのが理由の一つであるが、やはり財政状況の悪化が一番大きな理由になるのではないかと考える。公設試験研究機関における研究開発活動に関しても、予算の効果的な配分がより一層求められることになり、研究課題評価を各公設試験研究機関で行うのではなく、部局毎、あるいは全庁的な評価委員会を設けて評価することで、研究課題評価の結果をより予算作成に反映させていこうという地方公共団体が増えても不思議ではない。また、評価を受ける研究職員にとっても、各機関毎にバラバラの基準で評価されたのでは評価の公平性の点で納得がいかないであろうことを考えれば、全庁的な評価委員会を設けなくても、すべての機関である程度共通の評価基準で評価を実施する方向に向か う団体が出てくるのではなかろうかと筆者は予想する。 筆者はこの予想に基づき、公設試験研究機関の研究課題について全庁的な評価委員会を設けていると思われる県を中心にいくつかの県を訪問することにした。【各県における研究課題評価の取り組み状況等については、図2−1参照。いずれも、平成13年3月1日現在のデータである。】 第1章で記したとおり、平成12年度現在において、全庁的な評価委員会で一括して研究課題評価を実施している地方公共団体はごくわずかであることから、これらの団体は、他の地方公共団体に先駆けて、全庁的な評価委員会を設け、研究課題評価をで行うに至った特別の理由、あるいはそのような委員会で行う特別の目的や狙いがあったはずであると考えたためである。また、これらの団体は、自団体の現状に合った研究課題評価の仕組みを苦心して構築した(あるいは、模索している最中である)団体であり、豊富な経験を有している団体の担当者の方のお話からは得るものが多々あるものと期待したためでもある。 なお、筆者が担当者の方からお話を伺う際には以下の点に留意した。 ・ 科学技術振興施策を進めていくための体制 ・ 研究課題評価の目的とそれを達成するためどのような工夫をしているのか。 ・ 評価委員会の委員構成とそのような構成にした狙いは何か。 ・ 評価を行うための事務局等の負担はどの程度であるか。 (2) 研究評価システムを構築した2つの地方公共団体とその実状筆者は、全庁的な評価委員会を設置している地方公共団体のうち、宮城県と高知県にお じやまし、担当者の方からお話をうかがう機会に恵まれた。両県とも、産業系の公設試験研究機関を一つの課で所管し、その課を事務局とする全庁的な評価委員会で研究評価を一括して取りまとめるという共通点があった。しかしながら、研究課題評価の仕組みの細部 表2.1公設試験研究機関における研究評価に関する各県の取り組みの概要 都道府県名 秋田県 宮城県 兵庫県 高知県科学技術振興のための組織 県の科学技術政策を総合的に進めるための企画・調整を学術振興課で行っている。 農林水産、商工労働関係の課を産業経済部とするとともに、それら産業系の公設試験研究機関を産業技術振興課で所管している。 県の科学技術政策を総合的に進めるための企画・調整を科学技術政策課で行っている。 農林水産、商工労働関係の公設試験研究機関を産業技術委員会で所管す るとともに、その事務局として産業技 術振興課が県の科学技術振興施策 の企画・調整を行っている。公設試験研究機関における研究課題の評価方法の概要(平成1 3年3月1日現在)備考 平成 12年度においては試行的なものとして、分野ごとの 部会からなる評価委員会を設置し、各部会で事前評価を 各分野ごとに部会を設置。各部会に企画振興 行った。委員会は、企画振興部次長、学術振興課長、外 部次長、学術振興課長が入り、分野に応じた 部有識者(関連産業の方)、専門評価委員(技術内容を評 外部有識者 1人、専門評価委員 1人の計 4人 価できる専門家)で構成。 で部会を構成。 各分野ごとに設けられた内部評価委員会(委員は県職員)と重要な研究課題を評価する外部評価委員会(県職員は含まれない。)、また、産業経済部内の関係各課と調整を行うための調整会議からなる。研究課題の内容に応外部評価委員会には、マーケテイングの専門じて、評価の手順が異なる。重要な研究課題については、家、金融関係の有識者も含まれ、研究成果を調整会議及び内部評価を経た上で、外部評価委員会の地元産業に技術移転し、商品化する可能性に評価を受け、優先的に予算がつけられる。ついても評価がなされる。 平成1 2年2月にまとめ上げられた県の「行財政構造改革推進方策」、またそれを受けて平成1 3年2月に策定された「県立試験研究機関・ 平成 12年度までに公設試験研究機関の「地域科学技術中期事業計画」において、公設試顔研究機関行政サービス機関としての機能の強化」という方向性を踏の今後の方向として「地域科学技術行政サーまえ、兵庫県の公設試験研究機関で行うべき研究課題にビス機関としての機能の強化」、それを踏まえついて評価を行い、テーマの絞り込みが行われた。平成ての「業務の見直し」、「組織の統合再編」が定13年度以降に、今後研究課題評価をどのような仕組みでめられたため、それを受けた形で研究課題評進めていくかが正式決定される。価の仕組みを整備する必要が出た。 産業系の公設試験研究機関の研究課題に関する事前評事前評価委員会は、各分野ごとの評価委員会価は事前評価委員会で一括して実施。中間、事後評価にの委員長と学識経験者及び地元産業の関係 ついては、各分野ごとの評価委員会で実施。評価委員に者で構成。事前、中間、事後のずべての評価 は県職員は含まれていない。を行う委員は、各委員長のみ。 やそのために係る負担(コスト)には差異があり、両県とも苦心して現在の仕組みを構築 したことがうかがわれた。ア 宮城県の場合 宮城県においては、農林水産系及び商工労働系の各課で産業経済部を構成し、産業経済部産業技術振興課において商工系及び農林水産系の公設試験研究機関を所管し、同課がそれらの公設試験研究機関における研究課題の評価全般を調整する事務局としての役割を果たしている。【図2−2参照】これらの公設試験研究機関における研究課題の評価については、その研究課題の内容に応じていくつかの評価方法を使い分けることに同県の研究評価システムの特徴がある。 研究課題の選択に際しては、まず各公設試験研究機関が期待される研究成果を県の産業振興施策の中でどのように活かしていくかについて、県の関係各課と事前調整を行い、その後農業、工業、水産、林業といった各分野ごとの公設試が共同で内部評価委員会を設けて地元産業のニーズを反映するための検討が行われる形で実施される。 ここで選ばれた各テーマに関する評価方法はその内容に応じて異なる。最も重要と判断された政策的研究課題については、県の幹部による産業技術調整会議を経た上で、最終的には県庁職員が含まれない外部の委員(ここには、各分野の専門家だけではなく、マーケテイングの専門家、金融関係の有識者が含まれている。)による評価委員会にかけられ、研究成果に基づく商品化の可能性等も勘案した上で優先順位が付けられ、それに応じて予算がつけられる。また、その他の研究課題については、政策的研究課題に関する予算が付けられた後に残りの予算が配分されるため、産業系の公設試験研究機関に関する予算に研究課題評価の結果が反映できる仕組みとなっている。【資科2−3参照】 このように宮城県の公設試験研究機関における研究課題評価は、調整会議による「研究成果を地元産業の技術移転するための関係各課との事前調整」、内部評価委員会による「研究課題への地元産業のニーズの反映」、外部評価委員会による「研究開発成果の商品化まで踏まえた客観的な判断」等、様々な目的を含有した様々な工夫がなされている。このため、研究課題の内容によって評価方法が異なるとはいえ、事務局である産業技術振興課の職員、そして研究課題に応じて資料を作成しなければならない公設試験研究機関の研究職員ともに、負担はかなり大きいものと思われる。 しかしながら、宮城県では、地元産業の活性化のためには産業系の公設試験研究機関における研究成果を地元企業に技術移転し売れる商品に仕上げていくことが重要であると判断し、外部評価委員会にマーケテイングや金融の専門家を委員として含めているのだと推測される。したがって、産業経済部という組織を作り、総合的な科学技術振興によって地元産業の技術力を高めていくことを狙っている宮城県にとっては、公設試験研究機関における研究開発活動による研究成果は重要なものであり、地元産業で活用できるものを出すためには研究課題評価にそれ相応のコストをかけることは必要であるということなのであろう。 図2−2 宮城県産業経済部に関する資料 (組織) 農林水産局長 理  事(産業技術振興担当) (平成12年4月1日現在) ♭産秦経済総務課運「霊童謡雲羞謡欝空企画総務部 地域産業振翼課[気仙沼地方振興センタ農業振興部(総務部所管)農業普及部産業立地推進課計量検定所畜産振興部 農業農村整備部 ♭経営金融課林業振興部 (産業経済部関係) ♭団体指企画振興班 職業能力開発校(7)農 林 部仙台人材開発センタ胃農業普及部宮城障害者職業能力開発校婦人就業援助センター水 産 部 漁 港 部 農業実践大学校志津川支所 l商業・流通課 松島公園管理事務所 地域農業改良普及センター(9)病害虫防除所 ♭農産園芸課 家畜保健衛生所(4) ♭農村基盤計画課 農地整備課 由一王城寺原補償工事事務所林業振興課_ ♭森林整備課 水産事務所(2)新宮城丸 ♭漁港漁場整備課漁港事務所(2) ♭産業技術振興課産業技術総合センター 農業センター 古川農業試験場 園芸試験場 畜産試験場 蚕業試験場 林業試験場 水産研究開発センター 気仙沼水産試験場 内水面水産試験場 水産加工研究所 栽培漁業センター 図2−3 宮城県における研究課題評価等に関する資料 政策的研究課題 県総合計画等に位置付けられている特に重要な政策的プロジェ クト課題複数の県試験研究機関が共同で実施する業際横断型プロジェク ト課題試験研究賓総額が概ね1000万円以上の試験研究課題 その他産業技術調整会議が特に必要と認める試験研究課題各分野の研究計画等に位置付けられている主要プロジェクト課題試験研究費総額が概ね500万円以上1000万円未満の関係分野に係る試験研究課題その他試験研究機関の長が必要と認める試験 研究課題 経常的研究課 政策研究課題、重点研究課題に該当しない基盤的・経常的研究課題試験研究費総額が概ね500万円未満の関係分野に係 る試験研究課題 試験研究着果題事前調整(各試験研究機関が実料(各試験研究機関を中心とした調整) 試験研究課題実行書の作成(進捗状況報告書、 試験研究課題調整会議(各試験研究機関または中核試験魂究機関が実施) (専再技術員、事業課等関係機関との調整) 各試験研究機関の内部評価(工業、農業、林乳水産業) (試験研究要望課題等調整会議の検討結果を踏まえ、各試験研究即日評価委員会に付議する試転研究課題の選定等を行う。)(各試験研究機関が実施。ただし、農業.・水産系については、各試験研究機関毎の内部評画吉累を踏まえ中核機関が実施) l鵜凰付議 鶴表l (工業、農業、林業、 評価時期 前 年 6 月 84月月 月8翌年 月5 V 外部評価結果報告内部評価結果報告内部評価結果報告 産業技術調整会議(理事次長、関係課長、場所長等)(産寿技術振興課が所掌) (各試験研究機関の内部評価の結果を踏まt宮城県試験研究機関評価委員会に付議する試験研詫課題の選定等を行う。各試験96研究機関からの報告事項も必要に応じて対とすることができる。)月 月 、蜜城県試験研究機関師価委員会(外那委員巳コ)嘩・一 一ケ・こ :.こ 駐・こ月9月6 *機関評価は,各試験研究機関内部評価以降の手順に準ずる。 宮城県に在住しておらず、その実状を知らない筆者にとっては、東北大学等の優れた研究開発基盤があると思われる宮城県が公設試験研究機関での研究開発成果の地元産業への移転を非常に重視しているように思えて不思議に感じたが、同県における過去の経緯の中で、公設試験研究機関が地元産業に貢献してきた歴史があり、地元の産業に信用されていると言うことなのであろうと推測する。 それでもあえて筆者の個人的見解を申し添えるならば、国立大学の独立行政法人化や進学者の減少に伴う各教育機関の経営戦略に変化に伴い、大学等から県に対して大学等での研究成果を活かして地元産業の活性化を目指したいという連携の話も増えてくるであろう。そのような状況の変化が生じれば、大学における研究開発課題と公設試験研究機関におけるそれとの重複の有無等といった視点を研究課題評価の仕組みの中に取り入れる、あるいは公設試験研究機関における業務を研究開発中心からその他のサービス業務中心へシフト していく中で研究課題評価の仕組みを再検討することも必要になるであろうと思われる。 イ 高知県の場合 高知県では、産業技術委員会(関係各部局の部長等で構成)という名の組織で産業系の公設試験研究機関を一括して所管しており、各機関の予算については産業技術委員会で把握できる状況にある。【図2−4参照】このことは、宮城県同様、科学技術振興を部局別の縦割りで行うのではなく、県として総合的に行っていこうという考えによるものと推測されるが、このように産業系の公設試験研究機関の予算を一つの課で把握できることによって、全庁的な評価委員会での事前評価の結果を予算作成に反映しやすくなっていると思われる。 高知県の公設試験研究機関における研究課題評価は、各公設試験研究機関の長による内部評価と産業技術委員会事務局での内部評価を経た後に、県職員以外の委員で構成される外部評価委員会で行われる。 外部評価委員会では、事前評価、中間評価、事後評価、追跡評価が行われるが、事前評価を行う委員会は一つであり、そこでいわゆる産業系の公設試験研究機関における事前評価を一括して行っている。また、中間評価及び事後評価については各分野の専門家による評価委員会を複数設けている点に特徴がある。【資料編の資料1参照】これは、中間・事後評価については、行っている研究について専門的な見地から評価をすることを狙いとしているのに対して、事前評価については、これから取り組もうとしている研究課題について技術可能性の点から、あるいは地元産業のニーズの点も考慮するなど、その狙いが異なるためだと思われる。 また、各評価委員会の委員についても、ほとんどが地元大学の各分野の学者、地元産業の関係者で構成されており、県の職員は原則として含めないことで、公設試験研究機関が行う研究開発活動に県民の視点から評価してもらうという目的があるものと推測される。 なお、このような多岐に渡る研究課題評価を支えている事務局、事前、中間、事後の各 図2−4 高知県商工労働部関係機構図(平成13年3月1日現在) 商工労働部 1−N−- 産;産奉還 技;術碑芸 委;会亘芸 会;局 総務企画班・工業振興班 商工政策課地場産業振興班・融資班融資管理班・鉱業保安班新産業推進班 企業立地課誘致推進班・団地開発班 経営流通課団体指導班・診断班商業流通班企画班・勤労者対策班労働政策課能力開発第一班能力開発第二班 雇用対策班 産業技術総務班・企画班 振 興 課 (研究開発推進スタッフ) 計量検定可 芸請書夕空l l高等技術学校ll 高知・中村 l 鉱業技術センター紙産業技術センター農業技術センター畜 産 試 験 場森林技術センター海洋深層水研究所内水面漁業センター水 産 試 験 場 山 間 試 験 場「束樹試験場茶 業 試 験 場 段階で評価を受ける公設試の職員、又それぞれの評価に携わる評価委員の負担は、かなりのものであると感じ取れた。しかしながら、このように、県として科学技術振興を総合的に行おうという姿勢を貫く以上は、ある程度の負担は避けられないものと思われる。むしろ、公設試験研究機関における研究成果をいかにして地元産業の活性化や新産業創出に結びつけていくかを考え、そのための県の関係各課の諸機能を産業技術振興課に吸収することによって産業技術委員会事務局の人員等を増強するような方向も考えられよう。 なお、同県の場合、地元産業のニーズを研究課題に反映させることに関しては各公設試験研究機関の長による内部評価に任せており、そのための内部評価委員会を(宮城県のように)明確な形では制度化してはいない。このことについては、その県における実状や研究課題評価の目的、あるいは研究課題評価にかかる負担と効果の兼ね合いで、各地方公共団体が判断すべきであり、一概にどちらの方が良いと言い切れるものではないように思える。 高知県の場合、今後、高知工科大学という新しい科学技術基盤を含めた形で(大学における研究課題との調整や公設試と大学との共同研究ができるような仕組みの)総合的な科学技術振興を行うこととなるものと予想するが、研究課題評価のあり方もそのような状況の変化に対応し、変えていく必要が出てくるものと推測される。 (3)これから研究課題評価のための仕組みを構築しようとしている2団体の取り組み 筆者は、宮城県及び高知県以外にも、兵庫県及び秋田県を訪問する機会を得てその取り組みについてお話をうかがう機会に恵まれた。両県では、研究課題評価の仕組みが固まった段階にあるわけではなく、平成13年度以降に本格的なものを構築するために現在鋭意努力中とのことであったが、研究課題評価の仕組みを構築するに際して、関係者が非常に熱心な検討を行われていること、また、その過程がこれから研究課題評価の仕組みを構築しようとする他の地方公共団体にとって参考になると思われることから、その概要について記述することとする。 ア 秋田県の場合 秋田県の場合、宮城県や兵庫県のように、一つの課で公設試験研究機関を所管していたり、産業系の課が一つの部にまとまってはいない。公設試験研究機関における研究課題についても来年度以降に本格的な評価を行うことを目指して、平成12年度に試行的に研究課題評価を行った段階であるが、試行的に行った際の研究課題評価のための仕組みは、前述した宮城県や高知県と異なっている。【図2胃5及び資料編の資料2参照】(試行的なものであるため、同県では平成13年度以降どのような研究課題評価のための仕組みを構築するかについては調査時点では未定であった。) その評価委員会は、学術振興課が事務局となり所管しているという意味では全庁的な評価委員会と言えるが、その委員に企画振興部次長及び学術振興課長の県職員が含まれると 図2−5 秋田県における研究課題評価等に関する資料 ll 事前評価のプロセス 1 概略図 提   案   者 研究テーマの提案 提案書、資料の作成 提 出 評 価 委 員 会 専門評価委員の選定 ヒ ア リ ン グ 委嘱・提案書等送付 評 価 委 員 会専 門 評価委 員政策的分野の評点付与技術的分野の評点付与 評点、意見書等送付 評 価 委 員 会 総  合  評  価当該試験研究機関の長 (ポートフォリオ分析)意  見 (機関の長の意見の反映) 最 終 評 価 調 製 提 案 者予算配分への反映改 善 研究開発の実施 いう点が、宮城県及び高知県との大きな違いである。評価委員会は、各公設試験研究機関の研究課題に対応するために、いくつかの部会に分かれ、各部会に前述の県幹部2人の他、各分野に関わりの深い産業界の方1人、そして研究内容の技術的達成可能性等を評価する 専門家1人に各部会の評価委員として参加してもらうという形態であった。県の幹部2人が評価委員になっていることは、企画振興部学術振興課が県の科学技術振興施策の連絡調整・取りまとめを行う部署であることから、各公設試験研究機関における研究課題について、県の長期計画との整合性等の政策的妥当性を評価するという目的があったものと筆者 は推測する。 自団体において科学技術振興をどのように進めていくかについて大綱あるいは長期計画を作成している地方公共団体では、その中で公設試験研究機関の活用に言及していることも多いと思われるが、公設試験研究機関における研究課題を(公設試験研究機関を所管していない)県の企画部門で評価することによって、公設試験研究機関での研究開発活動が県の科学技術振興施策との整合性を保てるようにするという秋田県のような方法も一つの考え方であり、何も評価委員として県職員を含めてはいけないと杓子定規に考えることもないと筆者は考える。地元産業の技術指導、検査分析、そして技術移転を前提とした研究開発活動となにから何までやらねばならない、といった公設試験研究機関が最も重要な地域科学技術基盤という地域もあるはずである。そのような地域では、いかにして公設試験研究機関を活用するかに苦心し、限りある資源(研究者・予算・施設等)を特定の分野に重点的に投入し自地域の特性を活かそうとするのも一つの考え方であろう。秋田県の場合も、工業技術センターの他に高度技術研究所を設置して、超高密度磁気記録に関する研究を行うことで、他地域にはない高い付加価値を有した商品を製造する地域産業の創出に結びつけようとしている。このような県の戦略を踏まえた形で、研究課題評価を行うために県職員が評価委員になっているのだとすれば筋は通っているのではなかろうか。 このような秋田県の事例は、評価委員の人選一つにしても、研究課題評価の目的を考えた上で行う必要があり、他の団体では委員全員が外部の方だからといって、安易に模倣するのではなく、自団体の実状や科学技術振興の戦略等を踏まえた上で決めるべきであるということを示す良い例だと言えよう。 なお、誤解のないよう付け加えるが、全委員が外部の方である宮城県や高知県と内部職員を含む秋田県の仕組みのどちらの方が優れた仕組みであるか、ということを筆者は論じたいのではない。例えば、宮城県においては県の科学技術戦略に関わってくる重要な研究課題については県の幹部による産業技術調整会議で調整が図ることで、県の科学技術振興指針との整合性は図られているのである。いわば、宮城県では手間をかけて何重にも念入 りに研究課題評価が行っているわけであるが、研究課題評価の主たる目的やそのためにか けられる資源(人員・予算)が異なるであろうことを考えれば、双方の仕組みが異なるの は当然であり、評価委員会のみを取り上げてその優劣を論じることは意味がないものと考 えている。 イ 兵庫県の場合 兵庫県の場合も、一つの課で公設試験研究機関を所管していたり、産業系の課が一つの部にまとまってはいない。【図2−6参照】(ただし、平成13年度に機構改革が行われたとのことである。)兵庫県でも秋田県同様に、今後公設試験研究機関における研究課題の評価をどのような体制で実施していくかを平成13年度以降に決定するために検討中であった。 兵庫県において、現在、公設試験研究機関での研究課題評価の仕組みを構築しようとしているのは、平成12年2月にまとめ上げられた県の「行財政構造改革推進方策」、またそれを受けて平成13年2月に策定された「県立試験研究機関・中期事業計画」において、公設試験研究機関の今後の方向として「地域科学技術行政サービス機関としての機能の強化」、それを踏まえての「業務の見直し」、「組織の統合再編」が定められたため、それを受けた形で研究課題評価の仕組みを整備する必要が出てきたためである。「県立試験研究機関・中期事業計画」では、普及指導が「今後の県立試験研究機関の中心的、重点的な業務となる」となり、「研究については、県民や企業等のニーズに直結する技術の実用化を目的とした応用研究、実証試験等に重点的に取り組む」旨明記されている。【資料編の資料3参照】 このように、兵庫県においては公設試験研究機関の役割を明確にした上で、各研究機関の業務内容を見直し、その統廃合に関する方針を平成12年度までに定めた。このような一連の作業の中で、公設試験研究機関の今後の役割を踏まえて、各公設試験研究機関から提案された今後の研究課題について評価が行われ、約100件の課題について研究が行われることと定められた。同県では、このような経緯を経た上で、平成13年度以降においては、 どのような仕組みで研究課題評価を行うかを検討している最中なのである。 兵庫県における今後の研究課題評価の仕組みがどうなるかは現時点では不明であるが、 県民や企業等のニーズに直結する技術の実用化を目的としたテーマであるかどうかを判断 することが主たる目的となり、その目的を反映した形での委員構成の評価委員会が立ち上 げられることであろう。 同県のケースは、公設試験研究機関における研究課題の評価は、地方公共団体における 科学技術政策、公設試験研究機関の役割等に密接に結びついたものであることを示唆して いるものと筆者は考える。自らの団体では地域内の科学技術活動の振興をすることで、地 元にどのような効果をもたらそうとしているのか、地域の科学技術活動に関する状況から して公設試験研究機関は何をすれば良いのかが明確になってはじめて、どのような研究開 発活動を公設試験研究機関は行うべきかが明確になるのである。ここまで至れば、研究課 題評価の目的は自ずと明確になり、その仕組みもすっきりしたものになるのではなかろう か。 その意味で、研究課題評価に係るコストをどう軽減するかという問題を考えるとき、この ような兵庫県の取り組みは参考になるのではなかろうか。 − ロ ー 図2−6  兵庫県機構一覧表。平成12年。月1閲在, 行 政 委 員 会 長期ヒジョン部 ザヒンヨ′推進況 棺滑 深長(企画猟凱匪射 地腹振興汀 宣長 柑艶‡根′上控引 謙良(夜業†鼻心綱融引 市町振興課 長(企画l調整担当) 苫黒長(地域産業放棄担当) 室長(埋設菓 宅建巣担当) 畏(県民運動担当) 害果長(1真的政策担当) 室長(収用委員会担当) 長(胱生]古1パワー用引 汎長 日は1[レ1日担当) 長(介画調虻担当) 長(少子 高齢担当) 艮(接府企画担当) 艮(健康絃社の喝振田) 室長(ほ新嘗理担当) 良(世撫つくり担当) 長 交通政撥担当) 良(周勅 敬川醜男 畏(空港政策担当) 長(富「致推進担当) 1こ_Jl_:l ころ豊かな人づくり推進課と封奴隷室長(検査繰凍担当)室長 硝石軸大横論別間司り篭担当) 室長(順鞘醐即封畏(服用社業姓,相当) 的文化書聖絹礼抹 吾長(紬納車上目酎)艮(ノーエストル事業室長(農村嶋墳整鯖担当)室長(道路管理担当) 閏 脚 果 椚 沫釦刺牲組椚頴接(創興((就隷重炭素梅良長文 畏(地域政策相当)長(住宅宅地政策相当) I 飢追放室長(ナテノ門一朗l担当)垂艮(生涯宰別緋爬削ぎ畏(鯛寮生I古対替担当)重畏(交点安全相帯担当) 長(民間住宅推進担当) 室良(み柏いの緋朋勘) 室長(農協指導担当)室長(高速道路担当) わ.は・4.・ーー.、.、し.・.・. 板的理県県県l PIl歳文化財調査事跡所県立′7校167県立障劣化微fセノタ一H・配県貯県I摘1但馬自炊プ校押す佃もやまびこの郷配J軟骨研修所県J近代美術鈍貯∬[甘舟館野す相好台す謄牧子rヒノタr−・県立婦人研修紺ド欄打歴史博物師r 県立人と白秋の柄物和一軋むコウノトリの賭余間 農林水産事務所2師言..1−−−[亨一年一声コ 巨星蔓(姫路 洲本) 但喝水産串柿所 日豊摘豊i)地域農業改良書及セ人 事委員会 蝶加野用鹿篠 推,監担当)室長(農地防災担当)ムー撒磨紆 余楓 川瀾射.ユ nt tt l l 互畏(農地調艶担当)室長(河川計画担当)ム 相…k、域水止凱軌叶 宣長(河川哲理担当) 室長(ダリ一一ヘルト整備担当)室長(射川m推湛担当)ブ・脾立工業技術セノクー宣長(下水道管理担当) 発   注濾清閑   較交織力 局限停際 r 北搾広域小道事州所 H阪神臨海建叔−1りdr 要具(介護保微調整担引 ド一代抽公悦郎dl建,没一小僧所 宣長(摘鵬l臨書童担当) r一 敗捕應利水 憐所 F一一姫路fl」水部館所 L−1銘建.設事務所 電畏(帥ほっくJ]l塵担当) 室長 0褒吾墜担当)ト県立但喝技術大学校 室長(監査指導担当)「県立高等技術専門学院 災企画課 室長(防災逓信担当)室長(疾病対簿担当)凋芸者経絡介楕当 亙長 胴芸拠ム監協担当)室長(遺憾′スプム肺)ト兵庫障害者職業能力開 防沫1・・旅券事務所茎良(杜凱コJこテ舶削)卜農林事務所8審畏(付妄推進担当)室長(地域計画担当) 室長(神戸東部新都心整備推進担当) 室長(開廷指導担当) L一県民局5阪相 乗嬬増 酉l鈴蘭但唱 丹疲l炎持 トー 北揮鮭悌局1−栗東事務所一 陣妨彰科所17北I炎鴇 向漆格 宝 竜佐八 賂     原木西崎潤板拍三  相上瘍 川     山戸古路鳩関田神加絶山⊥正和 西     山 室長(住宅事業担当) 室長(住宅管理担当) 監 査 委 員 県立女性七ノター 躊F 市 兵尊 西神戸 尼噌 西富 明石県立但馬長寿の郷病害虫防除所ト・土木事頼所12 県立身体障害者更生相談所家畜保健術生新3神戸 西宮 牡上江 塵的 舶お山 縮坤県立加的障害者更生相談所(姫路 卸旧=力 洲本)加古Ill 姫掃 竜野地方弓削動委員会自由相棒所県立精神保健福祉セノター土地改良事務所g上郡 八肢 豊岡 紆耕調整課 敏月位康管理セノタ胃ことも七ノター4腱板 橋岬 洲本 審査課 職員会館(中央 西宮 姫路 豊岡)(霊山三芸同社踊票跨州雲つ阪神都市整備局 神戸市警牢訊 ・−・神戸商科大学県立こと.もの餓六甲冶山都耕所尼崎l皇管理諷務動日 計や半枚ド姫路1業大学県立明石半周但喝拓原体慮撞掟事柄前姫路港管理事務所一 暫年号52 県立婦人相抜センター掛立中央農薬技術七ノター県立但喝空港菅呼率棘所 [一・県立看雉入学し一 滴誌隼接 石木  崎柏原 本西 根洲加噸潅 川  滝  山古秒  間篠加商憶負赤  辟 県立総合衛生学院県立北酌製菓技術七ノター県立7貞路景観園芸学載 県立厚生専門学院県立l兵略農業技術モノクー食肉衛生検査センター組立菰林 林寮接衝七ノター動物愛纏モノクー県立水産試験場 ロ亘亘:室亘二室] 瀬戸内海海区 県立公害研究所県立林業研惟純 ノ無業調整委員会 緒祉事務所川県立のしぎく療育センター北播磨 利l應 宍粟県立病院10西畑嗟 北伐 葵方尼崎 頃日 西富策父 納来 水上I炎ぬ液絡 光風 柏原県立徹生研究所成人病セノター 県立但馬文数肘姫路循環器礪モノ県立文化会館2一一鼎立看護専門半枚3(西描直 流紐)(加古川 柏崎 淡路〕県立神戸生活秒速モノタu∴県立東洋医学研究所 「「、言了‘、・瘢・、- 内水面漁場 県立生活I寸学セノター5Ftt県立東洋医学研究所附属診療所管理委員会 (害;悪霊票,炎路)トーー県立柚医学研究所附剛〕層鍼灸院 ジー県立晩人柄臨床研究所 県立生痛科学研究面 ’−一株立高齢者脳嵐絶研究七ノクー[阪神・淡路大震災復興本部組織周(別紙)] また、兵庫県の取り組みは、状況の変化が生じれば、研究課題評価の仕組みも見直す必要があることを示す良い例であると考える。 第3章 まとめ (1)他の地方公共団体の仕組みの一部をそのまま取り入れることの危険性 第2章において、いくつかの県における研究課題評価のための仕組みやそれを活用していくための担当者の取り組み等を記した。これらのうち、秋田県、宮城県及び高知県で導入している公設試験研究機関の研究課題評価の仕組み(研究課題評価システム)は、産業系の公設試験研究機関の研究課題評価を一つの評価委員会で実施しているため、部局毎あるいは各機関毎に評価を行った場合に比べて、県の科学技術振興施策との整合性を確保したり、重要課題に優先的に予算をつけやすくなるといったメリットがある。また、評価を受ける公設試験研究機関の職員の立場からすれば、機関毎に評価を行われたために評価にバラツキが出るようでは納得できないであろうから、評価の公平さ、あるいは透明性の観点から全庁的な評価基準を作成することを考える団体も出てくると考える。したがって、すべての機関が同様の基準で評価を行えるよう全庁的な評価基準を定めたり、あるいは全庁的な評価委員会を設けすべての評価を一括して行う地方公共団体が今後増えるのではないかと予想している。 しかしながら、全庁的な評価委員会の場合、すべての公設試験研究機関の研究課題を取扱うことになるため、評価委員や事務局に多大な負担が係ることになるのは第2章で記したとおりである。特に、評価委員の負担が大きすぎるようでは委員のなり手がいなくなってしまうことにもなりかねない。宮城県では、外部評価委員会に挙げる課題を事前の内部評価等の調整で絞り込むという、いわば、県内部で手間をかけることによって、評価委員の負担を軽減しようとしているが、それは県として科学技術振興を進めていく上で公設試験研究機関の役割を明確にし、その研究課題評価の重要性を認めた上で、そのための職員・予算を確保しているからできることなのであり、どの団体でもできるものではなかろう。 また、宮城県や高知県の場合、産業系の公設試験研究機関を一つの課で所管していることによって、事務局と公設試験研究機関との連絡調整が直接できている。ところが、縦割りの組織の場合、例えば、評価委員会の事務局が農政課を通して農業技術センターと連絡調整するといった必要がでてくるであろうから、事務量が増えるであろう。 このように、宮城県や高知県では、科学技術振興を一つの部で総合的に行うための体制作りがなされており、全庁的な評価委員会もそういった体制があるからうまく機能しているという面があろう。このことを考慮せずに、ただ単に全庁的な評価委員会という仕組みだけを自団体に取り入れたのでは、うまく機能しない恐れがある。 (2)研究課題評価の目的を明確にする必要性 一口に全庁的な研究課題評価委員会と言っても、評価の目的・狙いによってその仕組みは異なるものである。地域産業のニーズを研究課題に反映させるためにはそのための仕組みが必要なのであり、研究職員のやる気を喚起する、あるいは研究活動の目的意識を県の科学技術振興計画に沿ったものにするために実施するのであれば、それに合致した仕組み が必要なのである。その一方で、これらすべての目的を達成するためには複雑な研究課題 評価の仕組みを構築し、それを運営していく必要があり、そのためには相当なコストがか かることは前述したとおりである。試験研究機関の職員が研究課題評価のために手間をと られ、肝心の研究に支障が出てしまうようなことになっては本末転倒である。また、同じ 工業試験場であっても、ある県のそれは技術指導が主たる業務であったり、ある県のそれは検査業務が主たる業務であったりと、業務の実態が異なることから、団体によって研究課題評価のための仕組みが異なることはやむを得ないものと考える。 その意味で、自団体における科学技術振興の進め方、公設試験研究機関の役割等を踏まえた上で、いくつか考えられる研究課題評価の目的のうち、自団体ではどれを主たる目的とするのかを明確にすることが、まず必要であると筆者は考える。これが明確になっていれば、評価にかけられる職員数や予算との兼ね合いで、研究課題評価の仕組みに関する案 の調整が必要になった場合でも、何を優先するかの判断がしやすくなるはずであり、研究課題評価のための仕組みはおのずと絞られてくるはずである。その際には他の公共団体における研究課題評価の仕組みを参考にすることも有効であろう。むろん、他の団体の仕組みをそのまま取り入れるのではなく、自団体にあった形にアレンジすることも大切である。例えば、同じ工業試験場という同じ名称の公設試験研究機関であっても、ある団体の工業試験場では研究開発が主たる業務であるのに、他の団体の工業試験場では地元の中小企業の技術支援が主たる業務である、というようなことはあるものと推測される。このような場合、そのような事情を踏まえた上で研究課題評価の評価基準を定める必要がある上に、後者の場合、研究課題評価のスケジュールを優先して地元企業への支援業務が後回しになることがないよう、評価の進め方にも工夫が必要になるはずである。 (3)最適な研究課題評価の仕組みを模索していくことが肝要である 研究課題評価の目的、自団体における公設試験研究機関の業務内容、研究課題評価にか けることができる時間と費用と人員、といった様々な要素を考慮していくことで、自団体 に適した研究課題評価の仕組みを構築することはできよう。しかしながら、一度作られた 研究課題評価のための仕組みも、状況が変化すればまた改良して行かねばならなくなるは ずである。 第2章にて取り上げた各県の担当者は、いずれも現時点での研究課題評価の仕組みをさ らに良くするために頭を悩ませていた。「評価者、被評価者双方に負担をかけすぎているの で、もう少し効率よくならないか。」、「今のやり方では、評価委員会で通りそうな無難な課 題ばかり提出させてしまっていて、斬新なアイディアがでなくなってしまっているのでは なかろうか。」など、研究評価のための仕組みができたらできたで、新しい悩みが出てくる ようである。 極端な話、自団体のおける科学技術振興政策のあり方、各公設試験研究機関の役割が兵庫県の場合のように変われば、研究課題評価の仕組みもそれに合った形で変えざるを得ないであろう。(例えば、研究課題にどれだけの人やお金をかけるかが変わるはずであるし、研究課題の評価項目も変わるであろう。) その意味で、研究課題評価の仕組みは一度構築すればそれでお終いというわけではなく、その目的に応じた最適な姿を模索していく努力が必要であろう。 (4)国の支援 地域のおける科学技術振興は国にとっても重要なテーマである。地域科学技術振興において、公設試験研究機関における研究課題評価のあり方は重要な課題の一つであると考えるのであれば、国が地方公共団体の取り組みを支援することも考えられよう。 筆者は、いくつかの県を訪問し、科学技術振興施策担当者の方とお話をする機会に恵まれたが、他の地方公共団体に先駆けて苦心して独自の科学技術振興を行っている皆様方の高い見識に触れ、大いに勉強になった。ところが、そのような豊富な経験と高い見識を持つ方々であっても、今の仕組みをより良いものにしていくに際して、様々な悩みを抱えていることも感じた。例えば、「評価者に係る負担が大きく、なかなか評価者になってくださる方を見つけだすのが難しい。」という問題であったり、「被評価者が評価委員会で高い評価を得ることを考えてしまい、当たり障りのない内容になってしまってはいないだろうか。」という疑問であったりしたが、このような問題点・疑問点を解決するために共同研究を行うという形で国が支援してはどうであろうか。ある意味、科学技術振興に熱心な特定の地方公共団体だけを支援する形にはなるが、この調査研究の成果は、これから研究課題評価の仕組みを整備していこうとする他の地方公共団体でも参考になると思われるので、結果的には国全体の利益になると考えて良いのではなかろうかと考える。 筆者は、これらの地方公共団体が研究課題評価を進めて行くに当たって抱えている問題点・疑問点をまず国の研究機関で1年ほどかけて調査し、報告書としてまとめた上で、そこで指摘された複数の団体が抱えている問題点・疑問点について国の研究機関の研究員及び地方公共団体の担当者を委員とする研究会を設置して、その成果を報告書として公表することを一例として挙げる。地方公共団体の委員には、研究テーマとして取り上げた問題点・疑問点を抱えている団体の職員になってもらう必要が有ろう。彼らに、報告書の中で、 自団体における研究課題評価の仕組みと問題点、そして問題点を解決するための提言を執筆してもらうためである。【図3−1参照】研究会の委員になってもらっても、当事者としての問題意識が無ければ議論に積極的に参加できないであろうし、諌論していても具体的な内容まで踏み込むことは困難であるからである。研究会に関わっている間の給与は各地方公共団体が負担する形になるであろうから、研究会の成果が委員を送り出してくれた地方公共団体に何らかの形で還元するという意味で、委員には研究会での議論に積極的に関与していただく必要がある。また、そうでなければ、地方公共団体は、自団体の職員をわざわざ研究会の委員として送り出してはくれないであろう。むろん、国の方としても、各地方公共団体を訪問して研究会の趣旨を説明したり、委員が研究会に出席するため、ある いは各地方公共団体へ訪問して調査をするための旅費を負担する等、研究会を円滑に進め ていくための努力をすべきであろう。 図3−1 研究会構想に関する概念図 おわりに 以上のように、地方公共団体が設置する公設試験研究機関における研究課題評価の仕組みに焦点をしぼり、筆者の私見を述べさせていただいた。 本論文は、文部科学省科学技術政策研究所が地方公共団体の皆様の御協力を得て実施した「地域における科学技術振興に関する調査研究(第5回)」の中に記載した公設試験研究機関における研究課題評価の実施状況等に関するデータを概観した際に、前述したような問題意識を持ち、平成13年2月上旬から急遽執筆に取りかかったものである。安易に他団体の研究評価の仕組みを取り入れてしまうことの危険性を警鐘することが狙いであったため、時季を逸することを恐れ、約1ケ月半の短期間の中で4県を訪問し、本論文を書き上げたため、その内容もさることながら、文章も練れていない部分が多々あることを感じている。しかしながら、平成13年4月をもって、科学技術政策研究所の特別研究員としての任期が切れることもあり、完成度の低いまま、敢えて公表し、今後の皆様の本テーマに関する議論のたたき台としていただくこととした。 そもそも、本文中でも繰り返し述べたように、研究課題評価の仕組みを考えるに際しては、@自らの団体における科学技術振興施策の目的や進め方、そして公設試験研究機関の役割、特に自らの団体の公設試験研究機関で行うべき研究課題開発業務はどうあるべきか、 A研究課題評価を行うための目的は何か、B研究課題評価にかけられる人員・時間・費用はどれだけか、といったものを考慮する必要があるのであって、すべての都道府県、政令指定都市で利用可能な万能なものを提言するなどということはできないのであろう。特に、いくつかの地方公共団体のご担当者の方の話を聞いた現時点では、研究課題評価の仕組みに関しては、県全体における科学技術政策のあり方、そして公設試験研究機関の役割を併せて考えることも大切であり、そのことによってより良い仕組みを考えつく可能性が高いのではないかと考えるようになった。 その意味で、本論文はこの程度にとどめ、具体的には都道府県における科学技術政策のあり方、そして公設試験研究機関の役割といった大局的な見地も踏まえて、研究課題評価のあり方を考えるという、いわば総論的な調査研究も必要性を今後の課題として指摘して本稿を終了することとしたい。 (本稿で使用した各種データは、平成13年3月1日現在のものが主ですので、データ等を流用される際は当該県に御確認の上、お間違えのないようご注意下さい。) 謝辞 本調査研究の実施に際しては、権田金治客員総括研究官のご指導をはじめとする研究者 や識者のご意見を頂戴できましたことに厚く御礼申し上げます。特に権田先生には、海外 まで本論文の原稿を持参され、会議の合間を縫って読んでいただき、様々なご指導を賜り ましたことに感謝しております。 また、インタビュー調査にうかがった地方公共団体において、科学技術振興を担当されている職員の皆様から御教示、御意見等を頂戴することができました。直接、科学技術振興施策を実行されていらっしゃる皆様の熱意や現場で生じる様々な問題を踏まえた高い見識に触れることができ、たいへん勉強になりましたことに対して、御礼申しあげます。地域のおける科学技術振興については他地域に無い自地域の特性を産み出す必要性もあり、 自ら考え、実行していくことが肝要である反面、共通の悩みを抱えた地方公共団体同士が話をする場を作り、議論していくことで、解決のためのヒントを得ることもあると思われます。どうか、今後とも科学技術政策研究所と親しくおつき合いくださいますよう、よろしくお願いいたします。 参考文献 [1]科学技術政策研究所 NISTEPREPORTNo.59「地域における科学技術振興に関する調査研究(第4回)」1999 [2]科学技術政策研究所 調査資料No.71「地域科学技術政策研究会(平成12年3月14、15日)報告書 一 地方公共団体における研究評価の手法とあり方について」2000 資 料 編 資料1 高知県研究等評価実施要綱及び同評価委員会運営要領資料2 秋田県試験研究開発評価実施のための指針資料3 県立試験研究機関・中期事業計画(平成13年2月・兵庫県) 資料1 高知県研究等評価実施要綱 (目的) 第1条 この要綱は、第9条に掲げる試験研究機関(以下「研究機関」という。)にお ける研究活動等について、公正及び適切な評価を行うことにより、効率的・効果的な研究開発等を推進するとともに、産業の振興、保健衛生の向上及び環境の保全を図り、もって県民生活の向上に資することを目的とする。 (基本方針) 第2条 研究内容、研究結果等に係る評価(以下「課題評価」という。)は、その評価結果を以後の研究開発に適切に反映させ、より効率的・効果的な研究開発を実施するため行うものとする。 2 研究機関における研究活動、運営状況等に係る評価(以下「機関評価」という。)は、研究等の推進体制を充実させ、及び研究者の能力、創造性等が十分に発揮される研究 開発の環境等を創出するため行うものとする。 3 研究成果は、研究活動の透明性を高めるとともに、研究開発に対する県民の理解を深めるため、積極的に公開するものとする。 (実施機関) 第3条  評価を行う機関(以下「実施機関」という。)として、研究等評価委員会を置く。 (研究等評価委員会) 第4条  研究等評価委員会(以下「委員会」という。)は、第7条に定める評価を行う。2 委員会の組織及び運営については、別に定める。 (評価委員の選任等) 第5条  委員会の委員(以下「評価委員」という。)は、十分な評価能力を有し、かつ、公正な立場で評価できる次の者のうちから選任する。 (1) 科学技術全般に知見のある専門家又は有識者 (2) 県内の産業又は保健・環境分野等について幅広い知見のある専門家又は有識者 (3) 研究開発マネジメントに精通している者 2 県の職員又は職員であった者については、特に必要と認める場合に限り、評価委員に選任する。 3 評価委員の任期は3年とし、必要により再任することができる。 (事務局) 第6条 実施機関の事務局を、産業技術委員会事務局内に置き、実施機関の運営、評価結果の公表等に関する事務を行う。 (評価の種類及び内容) 第7条  課題評価の種類及び内容は、次のとおりとする。 (1)事前評価  研究課題について、技術的可能性、県民又は産業界のニーズ等、 多様な観点からその適否を評価する。 (2)中間評価  研究期間が4年以上となる研究課題について、当該研究の進捗状況、目標達成の見通し等について評価する。 (3)事後評価  研究期間終了後、今後の研究計画の策定等に活かすため、当該研究の成否、研究成果の意義、研究成果の普及又は波及効果等、研究内容の全般について評価する。 (4)追跡評価  事後評価だけではその成果が確定できないと判断された研究課題 について、一定期間経過後に事後評価に準じ評価する。 2 機関評価は、研究機関の運営状況、研究活動、県の産業振興・保健環境の分野で果たすべき役割等について、多面的な視点から評価する。 (評価対象研究機関) 第8条  機関評価の対象となる研究機関は、次のとおりとする。 (1) 衛生研究所 (2) 環境研究センター (3) 工業技術センター (4) 紙産業技術センター (5) 農業技術センター (6) 農業技術センター山間試験場 (7) 農業技術センター果樹試験場 (8) 農業技術センター茶業試験場 (9) 畜産試験場 (10) 森林技術センター (11) 内水面漁業センター (12) 海洋深層水研究所 (13) 水産試験場 (評価対象研究課題) 第9条 課題評価の対象となる研究課題は、すべての研究課題とする。ただし、事後評価及び追跡評価の対象となる研究課題については、研究内容、研究機関間の均衡等を考慮のうえ、委員会と機関長が協議して決定するものとし、その協議においては、委員会の意向を尊重するのとする。 (評価方法等) 第10条 評価は、評価の区分に応じ、それぞれ次の各号に掲げる書類等により行う。 (1)事前評価 研究課題評価シート (2) 中間評価 推進計画書及び実績報告書 (3)事後評価 推進計画書、実績報告書及び研究成果報告書 (4)追跡評価 推進計画書、実績報告書及び研究成果報告書 (5)機関評価 研究機関の運営状況等がわかる書面及び当該研究機関での実地調査 2 委員会は、前項に定める書類に関し、必要に応じ、機関長、関係研究員等から意見を聴き、又は研究機関における実地調査を行うものとする。 3 研究課題評価シート、推進計画書及び実績報告書の様式については、必要に応じ、別に定める。 (評価項目等) 第11条  課題評価の内容は、評価の区分に応じ、それぞれ次の各号に掲げるとおりとする。 (1) 事前評価ア 地域産業の振興、保健衛生の向上及び環境の保全、県民生活の向上等とい う視点での研究ニーズの存在、緊急性、重要性イ 研究の方向性、目的、目標等の妥当性り 研究着手に向けての課題及び問題点工 研究資金、人材等研究資源の配分の妥当性オ 期待される研究成果力 普及又は波及効果キ 研究計画及び研究手法の妥当性 (2) 中間評価ア 研究の進捗状況イ 研究の目的、目標等の達成の見通しり 研究の進め方(継続、変更、中止等の決定を含む。)の妥当性工 研究資金、人材等研究資源の配分の妥当性オ 事前評価の妥当性 (3) 事後評価ア 目的、目標等の達成度イ 成功又は失敗の要因の把握及び分析り 研究計画の妥当性工 研究成果の普及又は波及効果オ 当初の研究目的又は目標以外の研究成果力 事前評価及び中間評価の妥当性 (4)追跡評価  事後評価に準ずる。 −31- 2 機関評価の内容は、次のとおりとする。 (1) 産業界又は保健環境分野における貢献度 (2) 取り組んでいる研究等の方向性及び状況 (3) 重点研究課題の選定方法 (4) 運営方法(意思決定経過、研究資源の配分等を含む。) (評価基準等) 第12条 評価は、客観的で透明性のあるものとするため、可能な限り定量化するものとする。 2 評価の基準は、評価の相対的な比較が容易にできるよう、評価の項目ごとに視点を揃えたものとする。 3 前2項について必要な事項は、別に定める。 (評価時期) 第13条  評価を行う時期等は、評価の区分に応じ、それぞれ次の各号に掲げるとおりとする。 (1)事前評価  翌年度の県予算作成時までに行う。 (2)中間評価  研究期間の中間の年度に行う。ただし、当該研究期間が7年以上 となる研究課題については、当該期間中の適切な時期に2回以上行うものとする。研究が終了する年度の翌年度のできるだけ早い時期に行う。研究が終了する年度以降5年以内の適切な時期に行う。原則として、3年ごとに行う。 (評価結果の活用等) 第14条  委員会は、評価の結果を取りまとめ、速やかに知事に報告するものとする。 第15条  機関長は、課題評価の結果を、以後の研究計画等に適切に反映させなければならない。 第16条  機関長は、中間評価において不適当と判断された研究課題については、当該研究計画の内容、研究資源の配分等について、必要な見直しを行い、その結果を委員会に諮るものとする。 2 前項の見直しによっても、明らかに当初の目的、目標等が達成されないと判断された研究課題については、中止するものとする。 3 前項により中止された場合は、その要因を解明し、以後の研究課題の選定等に活 価価価評評評後跡閑事追機 ) ) )3 4 5( ( ( かすとともに、独創的な研究開発の実施を妨げることのないよう留意するものとする。 第17条 機関長は、機関評価の結果を踏まえ、研究機関の運営改善等に最善の努力を払うとともに、その改善状況等を委員会に報告するものとする。 2 機関評価において指摘された事項については、必要に応じ、以後の機関評価の項目に加えるものとする。 (研究成果等の公開) 第18条  採択された研究課題に係る研究計画及び研究成果は、できる限り県民に分かりやすいかたちで公開するものとする。 (評価結果の公開) 第19条  評価の結果については、個人情報又は企業情報の保護、知的財産権の取得等について配慮し、機密の保持が必要な場合を除き、公開するものとする。 (留意事項) 第20条 実施機関の事務局は、評価が円滑に行われるよう、その実施体制等の整備・充実に努めるとともに、必要に応じ、適切な見直しを行うものとする。 2 機関長は、関係する部局や団体、大学、企業等との連携を強化し、研究課題を取り巻く環境の変化に合わせて自己変革が可能な研究体制の整備に努めなければならない。 3 評価を行うに当たっては、必要資料の作成等について、関係研究者等に過重な負担を強いることがないよう、十分に配慮しなければならない。 4 評価を行うに当たっては、研究機関が評価を忌避するすることがないよう、また、課題評価の結果が研究者個人の評価として偏重され、研究活動以外の業務に支障を及ぼすことがないよう、留意しなければならない。 附 則この要綱は、平成11年4月1日から施行し、平成10年度に行われた研究課題から適用する。 附 則この要綱は、平成12年10月30日から施行する。 高知県研究等評価委員会運営要領 第1条  この要領は、高知県研究等評価実施要綱(以下「実施要綱」という。)第4条第2項の規定に基づき、研究等評価委員会(以下「委員会」という。)の組織及び運営について、必要な事項を定める。 第2条  委員会は、事前評価委員会及び工業委員会、農林委員会、海洋委員会、保健環境委員会とする。 2 事前評価委員会は、工業委員会、農林委員会、海洋委員会各委員長及び実施要綱第5条に規定する有識者の中から選任する。 3 事前評価委員会は10名以内、その他の委員会は6名以内の委員をもって構成する。 (業務内容) 第3条  前条に定める各委員会の業務内容は、次のとおりとする。 (1) 事前評価委員会 実施要綱第8条の評価対象研究機関のうち衛生研究所及び環境研究センターを除く全ての機関に係る、同要綱第7条に規定する評価のうち事前評価に関すること。 (2) 工業委員会 実施要綱第8条の評価対象研究機関のうち、工業技術センター及び紙産業技術センターに係る同要綱第7条の事前評価を除く全ての評価に関すること。 (3) 農林委員会 実施要綱第8条の評価対象研究機関のうち、農業技術センター及び農業技術センター山間試験場、同果樹試験場、同茶業試験場、畜産試験場、森林技術センターに係る同要綱第7条の事前評価を除く全ての評価に関すること。 (4) 海洋委員会 実施要綱第8条の評価対象研究機関のうち、内水面漁業センター及び海洋深層水研究所、水産試験場に係る同要綱第7条の事前評価を除く全ての評価に関すること。 (5) 保健環境委員会 実施要綱第8条の評価対象研究機関のうち、衛生研究所及び環境研究センターに係る同要綱第7条の事前評価を除く全ての評価に関すること。 (委員長) 第4条 委員会の委員長は、委員の互選によって選出する。 2 委員長は、委員会を総理し、委員会の議長となる。 3 委員長に事故ある時は、委員長があらかじめ指名する委員がその職務を代理する。 (会議) 第5条 委員会は、委員会の事務局(以下「事務局」という。)の要請を受けて、委員長が召集する。 2 委員会は、委員の過半数の出席がなければ開くことができない。 3 委員長は、評価しようとする研究課題の内容等が、委員個人の職務又は委員が属する機関(その下部機関を含む。)と密接に関連があり、当該研究課題の評価に当該委員を参加させることが、公正及び適切な評価を行うについて不適当であると認める場合は、当該評価については、当該委員を参加させないことができる。ただし、意見を聴くことについては、この限りでない。 4 委員長は、特に必要があると認めるときは、委員の同意を得て、他の委員会と協議し、若しくは意見を求め、又は委員以外の者から意見を聴くことができる。 5 委員長は、委員会の評価結果を取りまとめ、事務局に提出するものとする。 (その他) 第6条 この要領に定めるもののほか、委員会の運営等に関し必要な事項は別に定める。 附 則この要領は、平成11年4月1日から施行する。 附 則この要領は、平成12年10月30日から施行する。 資料2 秋田県試験研究開発評価実施のための指針 (この指針の目的)第1粂 この指針は、県立試験研究機関が行う試験研究開発に対する評価の実施について必要な等項を定める。 (評価の目的) 第2条  評価は、次の事項に資することを目的とする。 (1) 厳しい財政事情等に鑑み、試験研究開発についての評価を厳正に行うことにより、予算等資源の効率的な配分等を図る。 (2) 試験研究開発課題の選択、内容、成果等について適切な評価を行うことにより、研究者の意欲を高めるとともに、創造性の十全な発揮を図り、柔軟かつ競争的で開かれた研究開発環境の実現を図る。 (3) 評イ蹄結果を積極的に公開し、県民に対する透明性を確保することにより、県が行う研究開発に対する県民の理解と支持を得る。 (評価委員会) 第3粂 評価を行うため、企画振興部次長、学術振興課長及び試験研究機関所管部局次長並びに外部の有識者を委員とする秋田県試験研究開発評価委員会(以下「評価委員会」という。)を設置する。 2 評価委員会の委員長は企画振興部長が務める。3 評価委員会の下に専門評価委員を置く。専門評価委員は技術的観点から評価を行うとともに、評価委員会の求めに応じ意見を述べることができる。4 専門評価委員は、外部の専門家の中から知事が選任する。 (評価の対象)第4粂 評価は、新たに予算に計上しようとする課題及び既に試験研究開発を実施している課題のうち評価委員会が定めるものについて行う。 (評価の方法)第5粂 評価は、別に定める評価マニュアルに基づき、次のとおり行う。 (1) 新たに予算に計上しようとするものについては、技術的及び社会的諸情勢並びに県の政策への適合性及び産業、県民生活との関わり等の観点から、着手することの適切性及び試験研究開発計画の妥当性等について総合的な評価を行う。 (2) 既に言式験研究開発を実施しているものについては、進捗の度合い、技術的及び社会的諸状勢の変化等の観点から、継続して行うことの適切性等について評価を行う。 第6条  評価の結果については、予算の編成、組織、定数等にこれを反映させるものとする。 (評価結果の活用)(評価結果の尊重) 第7条 評価の結果を受けた試験研究開発課題の提案研究者並びに試験研究機関は、試験研究開発計画の改善等の必要な措置を講じなければならない。 (評価結果等の公表)第8粂 評価委員会は、評価の結果並びに評価の結果に基づき講ぜられた措置等について、機密の保持や知的所有権の取得等に支障の生じない限りこれを公表しなければならない。 (試験研究開発の性格等に応じた配慮) 第9条 評価委員会は、評価の実施に当たって、個々の試験研究開発の性格等に配慮しなければならない。 (評価方法等の見直し)第10粂 評価委員会は、効果的で効率的な評価を実施するため、試験研究開発を取り巻く諸条件の変化等に対応し、評価方法等の見直し等の措置を講じるものとする。 (その他) 第11条 その他、必要な事項は企画振興部長が別に定める。 附 則この指針は平成12年8月23日から施行する。 資料3 県立試験研究機関・中期事業計画 平成13年2月兵庫  県 −39- 2 2 2 3 4 1 目    次 ° I 計画策定の目的・・・・・・・・・・ U 県立試験研究機関の今後の方向 °   °   °   1   °   °   °   °   t   °   °   °   °   t   °   °   ° 1 基本的方向・ °   °   °   e   °   °   °   °   胃   °   °   4   °   °   °   °   ° 2 取り組み方針 3 業務の見直し・・・・・・・・・ 4 組縦の統合再編の基本方向・・・ V 各県立試験研究機関の個別計画・・5 1 県立衛生研究所・県立公害研究所6 2 県立工業技術センタ胃・・・・・10 3 農林水産関係6試験研究機関・・134 医療系3試験研究機関・・・・・2 45 県立生活科学研究所・・・・・・2 66 県立福祉のまちづくり工学研究所2 7 °   °   °   胃   °   °   °  .   °   t   °   t   ° W 新たな仕組みの導入2 91 日  的・・・・2 9 t   °   °   °   °   °   °   °   °   .   °   °   ° 2 具体的取り組み・・・・・・・・・2 9 (1) 総合的マネジメント体制の確立2 9 (2) 人材の育成、活性化・・・・・3 0 °   °   肩   4   °   °   ° °   .   °   °   胃   °   ° (3) 普及指導体制の充実・・・・・31 (4) 外部資源の積極的活用・・・・31 I 計画策定の目的 本県では、成熟社会にふさわしい行財政システムを確立し、新しい時代の県民の要請に応える県政の機動的推進を図るため、平成20年度までの行財政構造全般にわたる改革の基本的方向と取り組み内容を明らかにした「行財政構造改革推進方策」 (以下、「行革推進方策」という。)を平成12年2月に策定し、行財政全般について抜本的な見直しに取り組んでいる。 県立試験研究機関については、この行革推進方策に基づいて、平成12年度における組織、行政施策など行財政全般にわたる見直しの具体的内容を明らかにした「平成12年度行財政構造改革実施計画」において、「各試験研究機関毎に、業務の重点化や組織の再編統合等に向けた具体的な見直し計画を策定し、平成13年度から5年間で実施する。」こととした。 このため、県立試験研究機関について、それぞれのユーザー(県民、企業、業界、行政機関等)のニーズや取り巻く環境の変化に対応した行政サービス機能の向上をめざして、業務や組織の抜本的な見直しを行った。 この見直しの結果を踏まえて、今後果たすべき役割や業務の重点化の方向、そのために廃止する事業や新たに取り組む事業、組織の統合再編の方向等を明らかにした、平成13年度から17年度までの「県立試験研究機関・中期事業計画」を策定するとともに、新しい時代の要請に合致した業務や組織の再構築に向けた取り組みを計画的に進めていくこととする。 U 県立試験研究機関の今後の方向 1 基本的方向胃「地域科学技術行政サービス機関としての機能の強化」- ○県立試験研究機関において、各々のユーザー (県民、企業、業界、行政機関等)のニーズや取り巻く環境の変化に対応した研究、普及指導、試験分析の業務を行うことにより、「行政サービス機関としての機能の強化」をめざす。 県立試験研究機関は、これまで、地域における科学技術振興の主たる担い手として、直接、研究・技術開発を行い、県民生活の向上、地域振興や産業振興に寄与してきたところである。 しかしながら、科学技術や情報化の進展による研究開発の高度化が加速する中、大学や民間企業が地域の高度な研究機能を担いつつあることから、県立試験研究機関の今後のあるべき方向としては、これまでのように、直接、研究・技術開発を行うだけではなく、むしろ、大学や民間の研究所等の研究成果を地域に結びつけていくコーディネート機能や情報提供を中心とした行政サービス機関としての機能の強化をめざしていく。 2 取り組み方針 県立試験研究機関のもつ、行政サービス機関としての役割を踏まえ、「研究」「普及指導」「試験分析」の3つの業務について、業務の重点化やユーザーのニーズ等に対応する見直しを進めるとともに、効果的、効率的な業務執行体制の構築に 向けた組織の統合再編を行う。 (1) 県民等のニーズに直結した研究への重点化 「研究」については、県民や企業等のニーズに直結する技術の実用化を目的とした応用研究、実証試験等に重点的に取り組むとともに、大学等が中心として行うプロジェクト型研究への参画を進める。 (2) コ胃ディネート、情報提供、指導・相談の機能強化をめざした普及指導 今後の県立試験研究機関の中心的、重点的な業務となる「普及指導」については、ユーザーに対する研究成果の迅速な普及と円滑な技術移転の観点から、大学や他の研究機関など地域の科学技術の様々な担い手と連携しながら、公設試とユーザー間等のコーディネート機能や情報提供機能、指導・相談機能を強化する。 (3)試験分析の外部化の推進 「試験分析」については、民間では提供が不可能又は不十分である場合や適正に提供できないものは、行政で提供するという公民の役割分担の視点に立って、原則として外部化(民間委託)する。なお、外部化に当たっては、行政責任にも十分配慮しながら、サービスの質の確保やコスト等を総合的に勘案した 上で進める。 3 業務の見直し (1) 見直しの進め方平成11年度の県立試験研究機関評価委員会の評価結果を踏まえ、「既存業務」 について、重点化の方向に沿った見直しを行うとともに、本年度の科学技術会議・評価委員会における評価の結果に基づき、新たな課題への対応として計画期間内に取り組むべき研究課題や普及指導業務を「新規事業」として当計画に計上した。 (2) 業務見直しの結果 (D 既存業務について見直しを行った結果、9機関(14の県立試験研究機関のうち、県立生活科学研究所と県立福祉のまちづくり工学研究所及び県立東洋医学研究所、県立成人病臨床研究所、県立高齢者脳機能研究センターの医療系3機関を除く。)合わせて、99の研究課題等を廃止することとした。 A 新規事業については、11機関(医療系3機関を除く。)から、研究課題276件と普及指導事業55件、計331件が提案された。これらの個別の提案課題に対し、科学技術会議・評価委員会において、「具体的な成果、効 果が見込めるか」「成果の県施策への反映が見込めるか」「県民や産業界からの具体的なニーズがあるか」「大学、民間等において実施可能ではないか」の4項目と、「県として実施すべきか」という総合評価を重ねて、業務評価 を行った。この結果、研究課題103件、普及指導事業35件、計138件を当計画に計上した。 (3)人員の見直し今後果たすべき役割や業務の重点化の方向に沿った業務の見直しを踏まえつつ、人員の見直しを進める。 なお、計画策定後の各年度における具体的な人員配置に際しては、毎年度の研究課題等の評価結果等を踏まえながら、新たな課題に的確に対応できる人員の効率的な配置を行う。 (4)事業費の見直し 研究課題等について継続的に評価を行う総合的な研究評価システムを導入する中で、既存業務については、ニーズや状況の変化に対応して見直しを継続的に実施するとともに、新規業務については、事前評価を実施し、この結果を踏まえつつ、併せて緊急性等の見地から精査検討を行うことにより、所要の財源の確保に努める。4 組織の統合再編の基本方向 (1)基本方向 ア 行革推進方策に沿った組織の統合再編 分野横断的な課題や新たな時代の要請に対応した課題等に的確、迅速に対応できる業務執行体制を確保するため、行革推進方策の見直し内容に基づき、組織統合、内部組織の再編、組織の廃止、他機関への移管等を行う。 イ 業務の重点化に対応した効果的、効率的な業務執行体制の整備 研究企画調整機能の充実や研究責任体制の明確化をはじめとする研究マネジメント機能の強化を図るとともに、業務の集約化や外部委託等による業務執行の効率化を進めるなど、効果的、効率的な業務執行体制を整備する。 り 全庁的な調整体制の整備科学技術会議・評価委員会における評価、審議と連動しつつ、部局をまたがる研究課題の取り組みのための調整を行う組織を構築する。 (2)実施時期 組織の統合再編については、組織統合のメリットを十分に活かした事業展開を図るため、平成13年度を準備期間として、統合再編後の内部組織の構成等について具体的に検討するとともに、分野横断的な研究課題の設定と推進体制の整備、研究企画調整組織の整備をはじめとする研究マネジメント機能の充実や、研究環境の整備、関係団体等との調整等の各種準備を進め、組織の統合再編後の試験研究機関を支える体制、制度を整えた上で、平成14年度以降、順次具体化を図る。V 各県立試験研究機関の個別計画 統合再編後の各県立試験研究機関毎に策定する個別計画は、次に掲げる項目で構成し、平成13年度から17年度までの5か年間の計画とする。 [個別計画の構成] (1) 今後果たすべき役割 新しい時代の要請や県民等のニーズの変化等を踏まえ、行政サービス機関としての機能を強化し、県民や企業等各々のユーザーに対して,県民満足度のより高いサービスの提供をめざすことを基本に、県立試験研究機関が今後5年間に果たすべき具体的な使命・役割を見直し、対外的、対内的に明確にする。 (2) 業務の重点化の内容 限られた人員、財源等の資源の有効活用を図るという観点から、県立試験研究機関の「研究」「普及指導」「試験分析」の3機能について、各試験研究機関の取り組みの方向に沿って、業務の抜本的な見直しを行い、業務の重点化の内容や橡能強化の考え方を明らかにする。 (3)主な廃止事業 当初目的の達成や業務の外部化等の理由により、計画期間中に廃止する研究課題や事業のうち、主なものを例示的に掲げる。 (4)主な新規事業 各試験研究機関が今後果たすべき役割やこれに基づく業務の重点化の内容に沿って、計画期間中に取り組むべき研究課題や事業のうち、主なものを例示的に掲げる。 これらの業務の具体的な実施に際しては、今後生じる県民ニーズや研究環境等の変化を勘案しながら、その実施の要否、内容、時期等について、毎年度の研究課題評価と進行管理の中で、機動的かつ弾力的な見直しを行う。 (5)組織の統合再編 ア 基本的考え方 行革推進方策に基づく見直し内容に沿って、業務の重点化の内容に対応した効果的、効率的な業務執行体制の構築をめざして、組織の統合、廃止、内部組織の再編など、組織の統合再編の基本的な考え方を明らかにする。 イ 特  徴統合再編の基本的考え方を踏まえ、組織の統合再編の特徴を明らかにする。ウ 主な内容組織の統合再編の具体的な考え方を示す。工 実施の時期組織の統合再編の実施予定年度を示す。 1 県立衛生研究所・県立公害研究所 (1)今後果たすべき役割 .一一<要約>・一一………・−…・・・‥‥…‥・ ○県の保健衛生・環境行政を支える科学的、技術的調査研究及び試験検査 ○健康、環境に関する危機管理の対応 ○健康、環境に関する情報の収集・分析及び情報提供 l胃...−l e..°..1.1..−−−...−一........一一…..胃胃−.−1肩.胃一...4..l l .t.t4.胃.lh胃.t t..1..h胃..‥...t..°胃.t胃胃.4.1.t.−4−l l.tt l t.l t.一°一lltllP.tll…l胃Ilh.tll胃−t4.−.…t @ 人、環境、生態系を総合的に取り扱い、環境汚染が人の健康に与える影響や、生活習慣病対策など県民の生活全般に係る課題に対する安全・安心の確保のため、県が行う保健衛生・環境行政を科学的、技術的に支援する中核機関としての役割を担う。 (訪 感染症、毒劇物による健康危機や不測の環境汚染事故発生時において、試験検査等で中心的な役割を果たすとともに、平時より危機に備え、より迅速かつ適切な検査手法を開発するなど、本庁、保健所等と一体となった危機管理支援機能の強化を図る。 B 研究所内外における研究成果や健康、環境に関する専門的な情報を収集、分析し、保健所等に対して情報提供を行うとともに、県民の理解促進に向けて健康、環境に関する情報を分かりやすく提供する。 (2) 業務の重点化の内容 .・・<要約>・……‥…・… ア 高度な技術を要する試験検査及びモニタリングの実施 イ 県施策の基礎となる調査研究の実施 ウ 試験検査機能をはじめとする危機管理への対応能力の強化 ア 高度な技術を要する試験検査及びモニタリングの実施 県行政に対する科学的根拠を付与するための試験検査については、分析手法が確立していないものや前処理等が複雑なもの、微量分析のため高度な処理が必要なもの等を重点に、引き続き行う。 また、新たな汚染物質の環境汚染状況などを把握、監視するため、大気、水質等のモニタリングを実施する。 イ 県施策の基礎となる調査研究の実施 地域特性に基づいた疫学的調査研究、ダイオキシン類や環境ホルモンが人や環境に及ぼす影響に関する研究、室内化学物質等の実態把握と居住者の健康調査、瀬戸内海沿岸の環境創造のための施策への科学的根拠付与など、県施策に反映できる調査研究に重点を置く。 り 試験検査機能をはじめとする危機管理への対応能力の強化 感染症、毒劇物等によって引き起こされる健康危機や、有害廃棄物の不法投棄、タンカー事故等による不測の環境汚染事故において人や環境に対する影響の迅速かつ的確な解明と危機拡大の防止を図るため、より高度な分析法の開発、人材の育成やマニュアルの作成、各種事例の収集、調査分析等を進め、本庁、保健所等と一体となった危機管理への対応能力を強化する。 (3)主な廃止事業既存業務について見直しを行った結果、研究課題28件等を廃止する。 主な廃止事業 廃止の理由 ・ カルシウムの摂取状況と骨密度との関連 当初予定していた目的を達成性に関する研究 ・ 兵庫県における結核の地域特性と発生要因に関する研究 ・ 医療用後発医薬品再評価品質規格策定事 ・ 大気環境アメニティ推進事業県民参加による酸性雨モニタリング ・ 淡路地域酸性雨監視調査 ・ 土取り跡への搬入土壌に起因する問題調査 (4) 主な新規事箕 業 ・有害化学物質の環境中挙動の解明 ・有害化学物質による地域汚染評価 ・土壌汚染地域回復モデル事業に係る点検 ・花粉症の実態把握に関する調査研究 民間等で実施可能 ・食品一般依頼試験 権力性を伴う検査でなく、民間 ・妊婦の B型肝炎ウイルス抗原検査 等で実施可能 ・風疹抗体検査 県立衛生研究所及び県立公害研究所から、新たな業務として研究課題47件、普及指導19件の提案があり、このうち研究課題17件、普及指導15件を当計画に計上する。その主な事業等は、次のとおりである。 重点化の分野 主な新規事業 高度な技術を要する試・水中環境ホルモンの高感度一斉分析法の研究と験検査及びモニタリン水中濃度の解析 グの実施 ・有害化学物質の排出・移動情報と環境モニタリ ングデータとの整合性の評価及び発生源インベントリー(日録)の整備に関する研究 県施策の基礎となる調・生体試料によるダイオキシン類暴露モニタリン査研究の実施グ ・瀬戸内海沿岸の環境浄化能等の評価及び経済的評価に基づく環境保全に関する研究 試験検査機能をはじめ・保健所等における毒劇物の簡易検査指導とする危機管理への対・不測の環境汚染事故等に備えるための危機管理応能力の強化機能の強化に関する研究 (5)組織の統合再編ア 基本的考え方 (力 健康、環境に関する問題が複雑・多様化する中、県民の安全・安心を支える機能を充実強化するため、人と環境を一体的に取り扱う。 A 県の保健衛生行政と環境行政を科学的に支える試験研究機関とする。 B 県民の健康維持・増進を目的とする県立衛生研究所と生活環境の向上への寄与を目的とする県立公害研究所を組織統合し、内部組織を再編する。 イ 特  徴 (9 健康、環境に係る危機管理支援機能の強化 毒劇物の流出、有害廃棄物の不法投棄等の不測の環境汚染事故や0−157、感染症の発生など健康危機事件に対して、人体面と環境面から原因の早期特定と影響の迅速な解明を一体的に行うことにより、危機拡大の防止機能の強化を図る。 A 情報提供棟能の強化 健康、環境両面に関する、国内外の研究成果や試験検査手法の情報収集・分析を行うとともに、的確な政策展開の支援や県民等への普及啓発のための情報提供の機能強化を図る。 B 複雑・多様化する課題への一体的な対応能力の強化 県立衛生研究所と県立公害研究所の試験検査機能を一体化し、ダイオキシン類や環境ホルモン等の有害化学物質についての発生源対策に資するなど、これまで両研究所が蓄積してきた技術、経験、マンパワーを総合的に活用することにより、複雑・多様化する人や環境に係る課題に対して一体的に対応できる能力の強化を図る。 り 主な内容 ○ 県立衛生研究所6部と県立公害研究所4部を再編し、人、環境を一体的に取り扱うセンターとして統合 両研究所において蓄積されてきた技術、.経験、マンパワーを総合的に活用することにより、健康、環境に関する危機管理(0−157等食中毒、毒物 ・ 劇物、タンカー事故等)をはじめ、複雑・多様化する人や環境に関する課題に対して一体的に対応できる体制を整備する。 ○ 企画情報部門の設置 業務の企画、調整などのマネジメント機能の強化、関係行政機関や県民に対する危機管理支援機能及び情報提供機能の強化など、健康、環境両面にわたり、研究所内外との調整を図る業務を効率的に実施するため、企画 情報部門を設置する。 ○ 県立衛生研究所の「疫学情報部」と「微生物部」を再編 県民の感染症予防と被害拡大の防止機能を強化するとともに、「地方感染症情報センター」として、検査結果の提供機能等を充実するため、県立衛生研究所の「疫学情報部」と「微生物部」を再編する。O「食品薬品部」の機能を充実 毒物劇物等の事故への的確な対応を図るとともに、食品や居住環境の安全性を確保するため、「食品薬品部」における試験検査、普及指導機能を強化する。 ○ 県立衛生研究所の「環境保健部」「生活環境部」と県立公害研究所の第1〜3研究部を再編 @ ダイオキシンや環境ホルモン等の日常生活の安全性に関する新たな課題への一体的対応を図るため、県立衛生研究所の「環境保健部」(有害物質の人体の蓄積)と県立公害研究所の「第3研究部」(有害物質の環境への蓄積)を再編する。 A 水質関連業務を一体的に実施するため、県立衛生研究所の「生活環境部」(水質)と県立公害研究所の「第2研究部」(水質汚濁)を再編する。 B 大気関連業務を一体的に取り組む体制の整備を図るため、県立衛生研究所の「生活環境部」における放射能分析に係る業務及び県立公害研究所の「第1研究部」(大気汚染、騒音)を再編する。 エ 実施の時期組織の統合再編を平成14年度に実施する。2 県立工業技術センター (1)今後果たすべき役割 ‥<要約>・…・ ○県内企業や産業界の技術力強化及び新事業展開のための研究開発 ○技術相談・助言、企業の人材養成等による中小企業の技術支援 ○研究成果の速やかな普及のための情報提供 tr th...….l tr..胃.−1肩..−・..一一一.…一一…−..−1t t.−‥一..一一一..一一一....一一一..−..一一...一日.4°胃.. −th一一一一一.−tt肩..−.−1−.t.一°.−.lt−. @ 県下の中小企業や産業界の技術力強化及び新事業展開のための研究開発を推進していく。 なお、大学や国立研究所、民間企業の方が進ん−でいる研究分野は、これらの研究への参画によって技術を習得し、企業への技術移転を行う。 A 県内中小企業の新技術・新製品開発を促進するため、技術相談・助言、企 業の人材養成等の技術支援を行う。 (診 研究成果の県内企業への速やかな普及のため情報提供を行う。 (2) 業務の重点化の内容 ・…<要約>  …‥‥…・…・……−・………‥・…………・…………………・……1 ±ア 県内企業等に対する相談・助言、研修、情報提供等の強化 . :イ 企業ニーズが強く、技術移転に結びつく研究開発の推進 − :ウ コーディネート機能の強化 t :エ 大学、財臥 民間研究機関等が中心となって行う先端技術に係るプロジ::ェクト型研究への参画                      : l t l_____._●.__________.._____________._______________________●__._..__________._.____...._._一__′ ア 県内企業等に対する相談・助言、研修、情報提供等の強化 中小企業の技術ニーズ把握システムの構築、企業の現場個別訪問による集中的相談・助言、個別課題解決のための技術コンサルティング等を通じて、県内企業、産業界のニーズを的確に把握した上で、迅速、的確な技術相談・助言、情報提供や中小企業の技術・製品開発能力向上のための技術者養成な ど、技術支援機能の強化を図る。 イ 企業ニーズが強く、技術移転に結びつく研究開発の推進研究開発は、中小企業の技術支援にとって重要な技術シーズを蓄積するものである。成長産業分野を中心に、企業、業界のニーズが強く、技術移転が見込める研究課題について、技術の実用化に重点をおいた研究開発を共同研究、単独研究など多様な手法により効果的に実施する。また、大学や、財団法人新産業創造研究機構(NI RO)、民間企業等との連携を基軸として、研究開発の効率的な推進と技術移転の円滑化を図る。 ウ コーディネート機能の強化公設試と企業、大学と企業、さらに企業と企業との間における技術の仲介 ・連携、技術移転、交流の橋渡しをするコーディネート機能の強化を図る。このため、産学官による共同研究開発等を推進するための専任のコーディ ネーターを設置する等、リエゾン機能の強化により、中小企業の新技術・新製品開発支援を強化する。工 先端技術に係るプロジェクト型研究への参画 放射光利用等の最先端技術の研究開発は、大学や国立研究所、財団等の先進的研究機関が中心となって行う研究プロジェクトに参画し、技術の修得を図るとともに、企業との共同研究等を通じてその技術移転を推進する。 (3)主な廃止事業既存業務について見直しを行った結果、研究課題6件等を廃止する。 主な廃止事業 廃止の理由 ・ 糖質関連酵素の構造と挽能に関する研究大学等・が中心となって行う研究 ・S R−]線回折法によるT i N硬質膜のに参画して実施製造評価 ・ ヒューズ型バネ素材の研究開発当初予定していた目的を達成 ・ ポリ乳酸/ゼラチン複合体の特性評価に 関する研究 ・ VR(仮想現実)を用いた新製造技術の開発 ・ガスクロマトグラフ分析など依頼試験 権力性を伴う検査等でなく、民 19 6件 間等で実施可能 (4)主な新規事業県立工業技術センターから、新たな業務として研究課題13件、普及指導 15件の提案があり、このうち研究課題5件、普及指導7件を当計画に計上する。その主な事業等は、次のとおりである。 重点化の分野 主な新規事業 県内企業に対する技術・I T(情報技術)による技術支援・交流事業支援の強化・企業ニーズ探索事業 ・ 個別課題解決のための技術コンサルティング事業 ・ 移動工業技術センターの開催 企業ニーズが強く、技・インターネットを利用した障害者・高齢者在宅就術移転に結びつく研究労支援システムの開発開発の推進・食品加工副産物の完全有効利用技術の開発 コーディネート機能の・技術コーディネート事業強化 プロジェクト型研究へ・マグネシウム合金の高機能性表面処理の実用化研の参画究 (5)組織の統合再編ア 基本的考え方 県内企業や産業界のための技術支援機関としての機能充実のため、内部組織の全面的な再編を行う。 @ 技術の実用化をめざした研究開発の効果的推進のため、研究の総合調整、評価、進行管理等、研究マネジメント機能の充実を図る。 A 新産業の創造や中小企業の技術・製品開発能力の向上のため、産学官のコーディネート機能を強化する。 B 技術の複合化、融合化に対応して、一貫したものづくり支援体制を整備する。 イ 特  徴 @ 研究マネジメント、コーディネ胃ト部門の設置 研究の評価、進行管理、調整等の研究マネジメント機能及び産学官のコーディネート機能を担う専任部門を設置する。 A 一貫したものづくり支援に対応した部門の再編 技術の複合化、融合化が進む新製品・新技術開発に対応した開発支援を行うため、材料に係る技術分野を一本化するとともに、各技術分野毎に実施している研究を集約し、一貫したものづくり支援体制を整備する。 B 3指導所の技術支援機能の明確化 3指導所については、各地場産業に対する技術支援機能への重点化を明確にする。 ウ 主な内容O r企画情報部」の再編産学官のコーディネート、研究の評価、進行管理等の研究マネジメント機能を強化するとともに、技術相談・助言、情報提供、人材養成など技術支援の充実を図る。 O r開発部」、「無機材料部」及び「有機材料部」の再編「開発部」(バイオ等)、「無機材料部」(セラミックス等)、「有機材料部」(高分子等)等の各部門の材料の分析、評価に関わる業務を一元化する。O r電子部」、「生産技術部」、r産業デザインセンター」等の再編各部門で個別に実施している開発研究業務を集約し、一貫したものづくりの開発支援体制を整備する。0 3指導所の改称等3指導所の業務を、対象業界の状況を踏まえながら、技術相談・助言など各地場産業に対する技術支援に重点化し、改称を行う。 エ 実施の時期内部組織の再編を平成14年度に実施する。 3 農林水産関係6試験研究機関 (1)今後果たすべき役割 ‥・<要約> …- 【統合後】: 農林水産分野に関する総合的な技術支援機関として、生産者や消費者の: tl :ニーズに直結した技術開発と実証試験の実施、研究成果等技術情報の迅速、: . :的確な提供                           ::【県立中央農業技術センター】                   : ll : 県下全域を対象とした農業に関する技術開発、実証試験、技術指導、情;:報提供及び農林水産関係の試験研究の総合調整           ;:【県立北部農業技術センター】                 : tl : 但馬・丹波地域に適応した特定作目に関する農業技術の実用化のための::技術開発、実証試験、但馬牛の改良拠点、農畜産物の利用技術の高度化の::ための技術支援 !【県立淡路農業技術センター】淡路地域に適応した園芸作物の農業技術の実用化のための技術開発、実証試験、乳用牛の改良拠点【県立森林・林業技術センター】林業技術の開発、実証試験、木材利用技術の実用化試験、技術指導【県立水産試験場】: 県下の漁業に密着した技術開発、実証試験、技術指導        : ll :【但馬水産事務所試験研究室】                  :: 但馬の地域特性に適応した水産技術の開発、技術指導、水産物の加工利: i用技術の高度化のための技術支援            ! l l ...........一一..−..−..一一..−…一一一..一一一一..−..−....一一一.一一一一一..1一一一一一H一一一一一一一一一…一一一一..−..一一一一一一一一一−−...−....−..−′ (注)組織の統合に伴い、各機関は内部組織として再編されるが、計画記載の都合上、現在の組織名で整理した。 【統合後】 @「農林水産振興計画」における研究体制の充実の方向を踏まえ、生産振興に加え、環境や多面的機能等の幅広い要請にも対応する農林水産分野に関する総合的な技術支援機関としての役割を担う。 A生産者や消費者のニーズに直結し、地域特有の課題の解決等を目的とした技術開発、実証試験、技術指導を行う。 B生産者や消費者、農林水産関係団体に対する研究成果等技術情報の迅速、的確な提供を行う。 【県立中央農業技術センター】 @多様な自然・社会条件を有する本県農業を支える中核的試験研究機関とし て、県下全域を対象とした農業に関する技術開発、実証試験、技術指導を行う。 A生産者、農業団体等に対する研究成果等技術情報の迅速、的確な提供を行う。 B効率的、横断的な試験研究を実施するため、農林水産関係の試験研究の総合調整を行う。 【県立北部農業技術センター】 @但馬・丹波地域に適応した特定作目に関する農業技術の実用化のための技術開発、実証試験を行う。 A但馬牛の改良拠点として技術開発、実証試験を行う。 B農畜産物の利用技術の高度化のための技術支援を行う。 【県立淡路農業技術センター】 @淡路地域に適応した園芸作物の農業技術の実用化のための技術開発、実証試験、技術指導を行う。 A乳用牛の改良拠点として技術開発を行う。 【県立森林・林業技術センター】 @資源循環型社会に適応した林業技術の実用化のための技術開発、実証試験、技術指導を行う。 A木材の利用促進のための実用化試験及び技術指導を行う。 【県立水産試験場】 ○県下の漁業に密着した漁場環境・資源の調査及び技術開発、実証試験、技術指導を行う。 【但馬水産事務所試験研究室】 @県立水産試験場の機能の一部を担い、但馬の地域特性を重視した漁場環境 ・ 海洋資源の調査及び技術開発、実証試験、技術指導を行う。 A県下の水産物の加工利用技術高度化のための技術支援を行う。 (2) 業務の重点化の内容 ・ …<要約>………‥−…・………−・………………・……・…………………=1 l :【県立中央農業技術センター】 l ア 生産者・消費者ニーズに直結した農畜産物に関する技術開発    :イ 国土保全、景観形成等の多面的機能の維持、高度化など新たな課題に対応した技術開発                       :り 多様な担い手育成、経営基盤酎ヒ支援のための技術開発と指導強化 : l t ;【県立北部農業技術センター】ア 但馬・丹波地域に適応した特定作目の農作物栽培に関する技術開発、三 . 実証試験                                 : l イ 但馬牛の改良及び効率的な飼養管理技術の開発          : . り 農畜産物の食品加工・流通技術の開発、技術指導          : . 1                                                                                                                          - 1                                                                                                                          1 1                                                             . !【県立淡路農業技術センター】                    :ア 淡路の地域特性を活かした園芸作物の栽培に関する技術開発、実証試: l :   験 イ 乳用牛の改良及び効率的な飼養管理技術の開発 . … t.1. . . − tD t1. . th . ..t.. . 日 . . … 日 . . .1.1°lllb tt − … ….lt tl . t° tllp1− . . . . . . . . 1.1. .1胃 th . … . tP tl …lh− . − lll肩 . 41. 胃.. − t1− .1..1肩 . −14 - 【県立森林・林業技術センター】ア 森林が有する多面的機能の維持、高度化のための技術開発、実証試験イ 森林被害防除に関する実用化試験り 県産木材の消費拡大と産業活性化のための利用技術の実用化試験、 術指導 l ド l l 【県立水産試験場】ltl l :ア 資源管理型漁業推進のための漁場環境 資源の把握と漁業者等への技: lt l :  術指導、情報提供l :イ 地域漁業に密着した技術開発、技術指導 ウ 水圏環境保全等に関する総合的、横断的共同研究の実施 【但馬水産事務所試験研究室】 ア 日本海海域の漁場環境、海洋資源の把握と漁場整備技術の開発   : :イ 水産加工利用技術の開発、技術指導、情報提供 :ウ 日本海固有冷水(深層水)の利用に関する総合的、横断的研究の実施 l.. . −1hllhlh −4.− . ll一 . ……一日. .trItll肩 . dt.一一■− I I . 日 . . .t・−1肩 . . l tt tb t肩..th t胃.tt■th■一一tt t胃一胃I I tllp ll… . . tt tllh1.. 4肩.te . . . tl −1肩 【県立中央農業技術センタ胃】 ア 生産者・消費者ニーズに直結した農畜産物に関する技術開発 安心、安全、おいしさなど消費者ニーズに即応した農畜産物を安定的に供給するため、生産性や地域性、省力化、低コスト化等を考慮した生産現場に直結する技術開発を進める。 また、現在の地域特産物の優位性の向上や新たな地域特産物の育成など、高付加価値化のための技術開発を進めるとともに、産地直売や地場流通など、生産から加工、流通に至る農村都市交流型の新しい地域産業の創出を図る。 イ 国土保全、景観形成等の多面的機能の維持、高度化など新たな課題に対応した技術開発水田の持つ多面的機能の維持、高度化など、活力ある地域の創出や快適な生活環境を確保するための技術開発を進める。また、家畜ふん尿等の生物資源の再利用や食品残さの資源化など循環型社会に対応した農業技術の開発を進める。 ウ 多様な担い手育成、経営基盤強化支援のための技術開発と指導強化 農業の多様な担い手の育成と基幹的農業経営体の強化を図るため、軽労働化、省力化、少投資化に対応するとともに、大規模経営化等の技術開発並びに指導強化を行う。 【県立北部農業技術センター】ア 但馬・丹波地域に適応した特定作目の農作物栽培に関する技術開発、実証試験県北部地域に適応した優良品種の選出や地域農産物の特産化を図るための技術開発、実証試験を行う。 イ 但馬牛の改良及び効率的な飼養管理技術の開発 種畜の選抜及び計画交配により、優れた種雄牛・雌牛の改良を図るとともに、多頭飼育農家はもとより、但馬牛飼養の大部分を占める小規模経営農家の経営維持・拡大のため、効率的な飼養管理技術の開発を行う。 り 農畜産物の食品加工・流通技術の開発、技術指導県産農畜産物の利用高度化を図るための加工技術の開発を行うとともに、食品産業からの廃棄物の有効利用や処理技術の開発を進める。また、消費者の信頼を得るため、安全性評価及び良品質の長期維持技術の開発、機能性成分の解明を進める。 【県立淡路農業技術センター】ア 淡路の地域特性を活かした園芸作物の栽培に関する技術開発、実証試験淡路農産物の市場競争力強化を図るため、消費者ニーズに対応した園芸作物を選出し、生産性をより向上させるための栽培技術の開発、実証試験を行う。また、隣接する淡路ファームパークイングランドの丘の施設を利用し、研究成果の実証展示等の協力を行う。 イ 乳用牛の改良及び効率的な飼養管理技術の開発 受精卵移植等の先端技術を活用した乳用牛の効率的な増産技術や、遺伝的診断法を用いた合理的な選抜等による育種改良技術を確立し、あわせて生産性向上を目指した効率的な飼養管理技術の開発を行う。 【県立森林・林業技術センター】ア 森林が有する多面的機能の維持、高度化のための技術開発、実証試験林業、木材産業の低迷や農山村地域の過疎化による労働力不足等により増加している不手入れ森林を再生させ、森林の多面的機能を高める技術開発、実証を行うとともに、ビオトープの維持、保全のための技術手法について実証試験を行う。 イ 森林被害防除に関する実証試験 シカなどによる農林被害について、防除法の開発と適正な頭数管理に視点を据えた調査、技術開発を実施するとともに、野生獣類との共生技術の構築、実証を行う。 また、新たな森林病害虫に対して、その生態、被害発生のメカニズムなどを解明し、環境に優しい被害回避法の実証試験を行う。 ウ 県産木材の利用技術の実用化試験、技術指導 県産木材の消費拡大と産業活性化のため、優れた加工技術を応用し、需要に合致した製品の試作と製造システムの検討、技術指導を行い、県下の業界の競争力強化を支援する。 【県立水産試験場】ア 漁場環境・資源の把握と漁業者等への技術指導、情報提供資源管理型漁業を推進するため、漁業界と共同して漁場環境や漁獲可能 . 量を把握することによって、持続的な水産業を目指した技術指導と迅速な情報提供を行う。 イ 地域漁業に密着した技術開発、技術指導漁業界のニーズに合致した特性を持つ地域魚種や養殖魚介類の開発及び魚病蔓延の防止対策等の技術開発・指導を行う。 ウ 水圏環境保全等た関する総合的、横断的共同研究の実施水産分野における環境保全等に関する横断的な共同研究を実施するとともに、得られた成果の普及を図る。 【但馬水産事務所試験研究室】ア 日本海海域の漁場環境・海洋資源の把握と漁場整備技術の開発資源管理型漁業の推進によって漁業経営の安定を図るため、日本海海域の漁場環境・海洋資源の把握に努めるとともに、増殖場造成技術の開発を行う。 イ 水産加工利用技術の開発、技術指導、情報提供消費者の安全志向に伴う、水産加工品のより安全な製品づくりや品質強化、管理のための技術開発・指導、情報提供を行う。 ウ 日本海固有冷水(深層水)の利用に関する総合的、横断的研究の実施 新しい産業資源として期待される日本海固有冷水(深層水)の利用に関する研究を農林水産、工学、衛生、環境等広範囲にわたる分野横断的に実施する。 (3)主な廃止事業既存業務について見直しを行った結果、研究課題65件等を廃止する。 〔県立中央農業技術センター〕 主な廃止事業 ・ 有用微生物の作物生育調整機能を利用した共生栽培技術の開発 ・ 飼料中蛋白質水準が但馬牛肥育牛の産肉性に及ぼす影響に関する研究 ・ 新方式高設隔離床栽培によるイチゴの環境負荷軽減型生産体系の確立 ・ イチゴ実用形質に関するD N Aマーカーを利用した選抜技術の開発 ・ 芝草の病害虫及び雑草の環境負荷軽減化防除法の開発 ・ 環境負荷軽減型の豚飼養管理システムの確立 ・ TMRの栄養価、蛋白質溶解度簡易評価法の開発 ・ 米の成分分析 ・ 農業機械性能試験 〔県立北部農業技術センター〕 主な廃止事業 ・ 有機栽培農産物の晶質評価法の策定 ・ 米の適温湿貯蔵による品質保持と食味判定基準の統一 ・ 黒毛和牛去勢牛の育成時における発育速度が産肉性に及ぼす影響に関する研究 ・ 種雄候補生精液の受胎性評価法の開発 ・ 自動ほ乳装置を用いた黒毛和種子牛の集団晴育・育成システムの開発 ・ 昆虫の抗菌タンパク質を利用した植物細菌病の生物的防除技術の開発 ・ 中山間地域における景観形成と畦畔 ・法面の管理技術の開発 〔県立淡路農箕技術センター] 主な廃止事業 ・ 環境に配慮した簡易養液栽培システムによる特産花きの省力・高品質・安定生産技術の開発 ・ 酪農における尿排水の浄化処理とその有効利用システムの開発 ・ 低樹高ビワ′の安定生産技術の確立と実証 ・ 飼料給与改善のための乳中尿素態窒素指標値の策定 ・ 新作型開発によるビワの供給期間の拡大技術の開発 ー18 - 廃止の理由当初予定していた目的を達成 需要が減少民間等で実施可能権力性を伴う検査等でなく、民 間等で実施可能 廃止の理由当初予定していた目的を達成 需要が減少 研究の進展に伴い次の段階のテーマに移行 廃止の理由当初予定していた目的を達成 施策への反映が十分に見込めない 〔県立森林・林業技術センター〕 主な廃止事業 廃止の理由 ・ スギ根曲がり材による平面材料の開発当初予定していた目的を達成 ・ 性フェロモンによるシイタケオオヒロズコガの防除試験 ・ 花粉の少ないスギ品種の育成と増殖試験 ・ 県内産スギ材の強度的材質特性の把捉 ・ 森林のモニタリングと環境の評価に関する開発 ・ スギ ・ヒノキ人工林の長期化に伴う密度管理技術の確立 ・ 原木シイタケハウス内はだ化と発生試験 〔県立水産試験場〕 主な廃止事業 廃止の理由 ・赤潮貝毒ネットワーク運用事業 当初予定していた目的を達成 ・養殖ノリの色落ち対策研究 ・天然ウチムラサキガイ保護増殖対策に関 する研究 ・魚類種苗生産試験 〔但馬水産事務所試験研究室〕主な廃止事業廃止の理由 ・ 栽培漁業対策磯根資源の放流効果調査当初予定していた目的を達成 ・ 水産物の流通加工工程 におけるHACCP研究の進展に伴い次の段階のテー対応技術開発試験マた移行 (4) 主な新規事業 農林水産関係6試験研究機関から、新たな業務として、研究課題183件、普及指導19件の提案があり、このうち研究課題66件、普及指導11件を当計画に計上する。その主な事業等は、次のとおりである。 〔県立中央農業技術センター〕 重点化の分野 主な新規事業 生産者・消費者ニーズ ・兵庫のブランド果樹確立に向けた優良品種地域 に直結した技術開発 適応性検定試験 ・生殖細胞 D N A.診斬技一術の一開発による優良牛の 早期選抜 ・各種遺伝資源の利用による丹波黒ダイズへの病 害抵抗性付与技術の開発 ・生態系及び光触媒を利用した畜舎内臭気軽減化 技術の開発 ・小規模野菜産地における産直・地場流通システ ムの構築 国土保全、景観形成等 ・水田機能の維持 ・活用のための飼料用稲栽培技 の多面的機能の維持・ 術の確立 高度化など新たな課題 ・周年野菜産地におけるバイオアプリケーション に対応した技術開発 技術による新施肥体系の開発 ・家畜用飼料として利用可能な食品産業廃棄物の 検索と飼料化技術及び実証試験 〔県立北部農業技術センター] 重点化の分野主な新規事業 但馬・丹波地域に適応・持続性の高い水稲栽培法の確立と実証 した特定作目の農作物・中山同地域における遊休水田の保全管理技術の実栽培に関する技術開証試験発、実証試験・兵庫ブランド米の高品位栽培、流通技術の開発 ・ピーマン白絹病菌の生活環の究明と防除技術の開発 但馬牛の改良及び効率・超早期母子分離子牛の育成後の繁殖性と肥育性の的な飼養管理技術の開検討発・繁殖雌牛の哺育能力の早期判別法の確立と実証 ・凍結保存優良但馬牛胚の受胎率の向上現場実証 農畜産物の食品加工・・兵庫ブランド農産物の機能性評価など優位性実証流通技術の開発、技術技術の開発指導・大豆加工廃棄物及び回収有価物の利用法 〔県立淡路農業技術センター〕 重点化の分野 主な新規事業 淡路地域の地域特性を・物質循環に基づく露地野菜の再生産、持続的栽培活かした園芸作物の栽技術の確立と実証培に関する技術開発、・淡路特産切り花の環境に配慮した高品質安定生産実証試験システムの確立 乳用牛の改良及び効率・乳用牛の生涯生産性向上をめざした施設改善技術的な飼養管理技術の開の確立発・凍結保存高泌乳用牛胚の受胎率向上現地実証試験 ・ 家畜ふん尿処理と利用技術の確立と実証 ・ 環境負荷低減 と効率的生産を両立させるための乳用牛飼養技術のl計発 〔県立森林・林業技術センター〕 重点化の分野 主な新規事業 森林が有する多面的機・菌根菌を活用した里山林の健全化 能の維持、高度化のた・森林の多様な機能を高める地域に適した人工林のめの技術開発、実証試長伐期施業体系の開発 験 ・森林の多面的機能発揮に配慮した伐採・再造林シ ステムの開発 ・森林学習支援事業 森林被害防除に関する・山地災害及び林地開発の把握システムの構築実証試験 県産木材利用技術の実・県内産スギ材強度特性を活用したエンジニアード用化試験等ウッドの試作 ・森のゼロエミッションを目指した木質廃棄物の処理・利用技術の確立 〔県立水産試験場] 重点化の分野 主な新規事業 資源管理型漁業推進の・砂浜域に造成した点在型藻場の多面的生産効果に ための漁場環境・資源関する研究の把握と漁業者への技・イカナゴ稚仔の輸送と拡散及び生残に及ぼす海洋術指導、情報提供構造の変動 ・ 漁業者に対する情報発信機能強化事業 ・ 粒子状栄養塩類の流入に関する研究 地域漁業に密着した技・養殖カキのブランド化に向けた採首技術確立に閑術開発、技術指導する研究 〔但馬水産事務所試験研究室〕 重点化の分野 主な新規事業 深層水の利用に関する・日本海固有冷水(深層水)の利用に関する横断的研究共同研究 (5) 組織の統合再編ア 基本的考え方 @生産者や消費者のニーズに直結した試験研究を一体的に実施する。 A産地特性に基づく課題解決のための試験研究を一体的に実施する。 B農業・林業・水産業に係る課題には、個別分野のみでは対応出来ない横断的課題も発生しており、これら課題の解決に向けた試験研究を一体的に実施する。 <一体的に実施することが必要な事例> ・ 農林水産物・食品残さの有効利用技術の開発 ・ 農林水産業が持つ環境浄化機能の開発 ・ 農林水産業による景観・アメニティ・ビオトープ空間の創出 ・ 農林水産業における海洋深層水の利用技術の開発 C農林水産関係6試験研究機関がそれぞれの槻能を機動的、効率的に発揮する一体的な技術支援センターとして組織統合、再編を行う。 イ 特  徴 @ 研究マネジメント機能の強化試験研究の総合調整、研究の評価・進行管理、環境関連分野など横断的 な研究課題をはじめとするプロジェクト研究の企画調整、他の試験研究棟閑等との連携・調整など、研究マネジメント機能を強化する。 A 研究と普及活動が相互に連携した総合技術情報サービス機能の強化 県民ニーズの的確な把捉、成果を迅速的かつ的確に普及するための情報発信機能を強化し、研究と普及活動が相互に連携した総合技術情報サービス機能の強化を図る。 B 全県的、検断的な研究棟能の集約及び産地特性等を考慮した機動的な研究体制の整備全県的、横断的な課題に係る研究機能など農林水産業に共通する業務を 集約するとともに、産地特性等を考慮した機動的な研究体制を整備する。庶務、経理等の管理業務を集約化し、効率的、弾力的な運用を行う。 ウ 主な内容組織の統合再編に当たっては、次の内容を基本に検討を行う。0 6試験研究機関を農林水産に開する総合的な技術センターとして統合全県横断的な課題に係る研究機能など農林水産業に共通する業務を集約するとともに、産地特性等を考慮した機動的な研究体制を整備する。 ○ 企画調整部門の充実 試験研究の総合調整、研究の評価・進行管理、全県横断的研究の実施、普及部門の集約による総合的対応、プロジェクト研究の企画調整等の研究マネジメント機能を強化するため、企画調整部門の充実を図る。 ○ 農林水産関係の環境関連研究業務の統合 作物栄養、地力保全、農薬、畜産環境、森林防災、森林環境、漁業環境など、農林水産分野にわたる環境関連の研究部門を一元化し、総合的推進を図る。 O 「県立北部農業技術センター」及び「県立淡路農業技術センター」を産地特性等を考慮した技術開発・実証試験部門として再編研究機能や管理業務等の集約化と併せて、産地特性等を考慮した機動的 な研究体制を整備するため、「県立北部農業技術センター」を但馬牛の改良部門として、また、「県立淡路農業技術センター」を乳用牛の改良部門として再編するとともに、農業の特定作目に関する技術開発・実証試験部門としてそれぞれ再編する。 なお、主要農作物等の農業部門については、課題に応じた研究チームの編成等、機動的な研究体制に移行する。 ○ 但馬牛に関する業務分担の見直し 県立中央農業技術センター及び県立北部農業技術センターで実施している種雄牛の飼養、精液供給、但馬牛の肥育試験等の業務の分担について見直しを行う。 ○ 普及指導業務の一元的対応 研究成果を幅広く普及させるため、普及指導業務の一元的対応を図ることにより、横断的、効果的な普及指導を展開する。 ○ 管理業務の集約化 現6試験研究機関の庶務・経理等の管理業務を集約化し、効率的、弾力的な運用を行う。 ○ 機動的、弾力的な組織体制等の導入 行政ニーズに対応した研究や普及指導等の業務を柔軟かつ計画的に実施するため、例えば、担当部長制の導入やチームによる研究の実施など機動的、弾力的な組織体制等の導入を検討する。 エ 実施の時期統合再編を平成14年度に実施する。 4 医療系3試験研究機関 (1)県立東洋医学研究所 ア 今後果たすべき役割 (∋ 当分の間、東洋医学の研究治療機能を担う。 A 今後、東洋医学の研究成果を継承、発展させ、伝統医学の研究につなげていく。 イ 組織の統合再編の基本的考え方 @ 東洋医学の研究鏡域は極めて広く、現行の研究体制では十分な成果が期待できないことから、今後、現研究即ま廃止する。 A これに代え、効果的・総合的な伝統医学の研完体制への移行を図るため、「伝統医学センター」(仮称)への移行を検討する。 ウ 実施の時期「伝統医学センター」(仮称)への移行の時点で、現研究所を廃止する。 (2)県立成人病臨床研究所 ア 今後果たすべき役割 (丑 研究所としては廃止し、当分の間、がん及び代謝系疾患に関する医療技術の臨床応用研究等の機能を県立成人病センターで担う。 イ 組織の統合再編の基本的考え方(D 成人病の研究の対象分野は広範囲にわたっており、現行の研究体制では十分な成果が期待できないことから、現研究所は廃止する。 (診 がんを中心とした臨床研究は、効果的な研究体制への移行を図るため、県立成人病センターに「研究部」として再編の上、新たに開設する「県立粒子線医療センター」(仮称)と連携しつつ、継続する。 B 代謝系疾患等の生活習慣病に関する研究については、当面は県立成人病センターの「研究部」で対応することとし、将来は、「生活習慣病センター」(仮称)への移行を検討する。 ウ 実施の時期平成14年度に研究所を廃止し、県立成人病センターの研究部として再編を行う。 (3)県立高齢者脳機能研究センター ア 今後果たすべき役割 (D 県立試験研究機関としては廃止し、老人性痴呆疾患に関する研究の成果は、他機関への継承を図る。 A 老人性痴呆疾患に関する治療及び臨床研究等の診療機能については、移管先との連携を図りつつ、存続することを検討する。イ 組織の統合再編の基本的考え方 @ 精神系疾患の研究は、国においても1か所で集中的に取り組みつつある中で、地方公共団体が単独で取り組むには限界があり、最先端の研究水準の維持は困難なことから、現研究所を廃止し、他機関への移管を検討する。 A 移管が困難な場合においても基礎研究部門は廃止し、附属病院については、県立姫路循環器病センターへの統合を検討する。 ウ 実施の時期平成14年度を目途に実施する。5 県立生活科学研究所 (1) 今後果たすべき役割 ・・<要約>  −‥ ○生活の科学化や消費者の保護のための試験研究 ○住民や消費者団体等とのネットワークによる情報の収集・提供・啓蒙 l.____._______.__..__._一●..■一一一.−_.一一..−_____−_..__._.._一.一一一...___...−■.■..一一一一.−....._−.−.__.1 (D 高度・複雑化した数多くの新たな商品やサービスが提供される一方、消費者の自己責任が強く求められており、生活の科学化や消費者保護のための商品テスト等の試験研究を行う。 A 消費者被害の未然防止のため、消費者団体等とのネットワークを充実し、 商品テスト情報等の収集・提供や消費者保護に関する啓蒙等を行うとともに、調査・研究への県民の参加を促進する。 (2)業務の重点化の内容 .・・<要約> ……………=・…‥−…・・‥・……・・…・…・−・・…・・……−……………. 肩 :ア 生活の安全・安心を高める試験研究の推進 . イ 県民生活に密着した課題に関する情報の収集・提供 ウ 研究所施設等の県民への開放 ll t肩 . . . tll胃 tF tp thl.4b tt tF t肩 t肩 t肩 ■ . tFIh 胃l − . . 胃胃 . th . l tll.一 一 . t胃 tt t° th . . . tllt − . 胃° . 胃° . tト ー . tr . t.tt . 日 . . . t胃 − . −1肩 . . . . tF l lt .1° . . tD . th d.. 胃.11.11 − − 日l ア 生活の安全・安心を高める試験研究の推進 県立生活科学センターや市町の消費者相談窓口に数多く寄せられる相談に関するものや、高齢化や情報化の進展に伴い、生活の安全・安心の向上につながるテーマに関する試験研究を行う。 また、商品苦情の原因究明のための試験研究や相談窓口への技術的な指導を実施することにより、消費者被害の未然防止と苦情の迅速な解決を図る。 イ 県民生活に密着した課題に関する情報の収集・提供 県民のくらしの安全・安心の確保及び消費者の自立支援を図るため、大学、他の試験研究機関等との連携を図りつつ、今後県民生活に密着する課題について情報の収集に努める。 また、調査・試験研究結果について、国、市町、大学等関係機関にも情報提供を行うとともに、新聞、広報誌、インターネット等を活用し、県民や消費者団体等への情報発信を充実する。 ウ 研究所施設等の県民への開放開かれた試験研究施設として、テスター養成講座修了生などによる県民参加による調査・研究の充実を進める。また、県民による研究所の施設や設備の利用、消費者団体等による自主的な試験研究や、各種団体、学校等からの施設見学等の促進を図る。 − 26 - (3)主な新規事業 県立生活科学研究所から提案のあった新たな業務について、研究課題3件、普及指導1件を当計画に計上する。その主な事業等は、次のとおりである。 「 重.姦元の分野 . .1 主な新規事業 生活の安全 ・安心を高 ・高齢者向け商品及びサービスに関する研究 める試験研究の推進 ・情報対応能力の差から生じる利益・不利益につい ての調査研究 県民生活に密着した課・「高齢社会における生活用品・サービス」につい題に関する情報の収集てのシンポジウム ・提供 6 県立福祉のまちづくり工学研究所 (1) 今後果たすべき役割 ・ ・<要約>・‥・ t 工○すべての人々がいきいきと生活できる福祉のまちづくりの研究拠点 t :○福祉用具等の実用化に向けた研究開発、普及、相談、情報提供 ・一一一一一一一一一一一一一一一一一−一一一一一一一一一一一一一一一一一・・一一.....●.一...−■1....●....■4−−−.….−.−..−___.一一__._._____I (D ノーマライゼーションの理念の実現を目指し、高齢者や障害者を含むすべての人々がいきいきと生活できる福祉のまちづくりの研究拠点として、行政、企業、大学等と連携し、高齢者や障害者等県民の利用ニーズを踏まえながら、活動する。 A 主として工学的な視点から福祉用具等の実用化に向けた研究開発を行うとともに、普及、相談、情報提供等を推進する。 (2) 業務の重点化の内容 .‥<要約> −……‥・=・‥・−…= :ア すべての人にやさしいまちづくりの推進のための生活空間に関する研究 t :イ 企業、大学等の研究機関との交流の推進 t ;ウ 福祉現場の今日的課題についての工学的視点からの研究開発 1 . ...e−.一一一一t.t.一一一一一一−−−−−t一一一一−一一..−.一一一一一一一一一一−一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一.一一■一一....一..● ア すべての人にやさしいまちづくりの推進のための生活空間に関する研究 障害者等に配慮した面的な広がりを持った福祉のまちづくりの展開方策の研究、障害者等のコミュニケーションを支援する機器の研究開発、高齢者等に対応した住宅・福祉機器の開発など、すべての人にやさしいまちづくりの推進に向けた生活空間に関する研究開発を推進する。 イ 企業、大学等の研究機関との交流の推進民間の研究機能との連携により、幅広い課題に対応するため、企業、大学等外部機関等との共同研究や情報交換を進めるとともに、県からの受託研究以外にも各種団体からの受託研究の活発化を図る。 ウ 福祉現場の今日的課題についての工学的視点からの研究開発 兵庫県社会福祉事業団の各施設との連携を図り、高齢化や障害の重度化に対応した安全で挟適な生活環境の整備のあり方や移動・介護機器等の開発など、福祉の現場の今日的な課題について、工学的視点からの研究開発を推進する。 (3)主な新規事業 県立福祉のまちづくり工学研究所から提案のあった新たな業務について、研究課題12件、普及指導1件を当計画に計上する。その主な事業等は、次のとおりである。 重点化の分野主な新規事業 すべての人にやさしい・高齢者・障害者等に配慮した歩行空間整備に関すまちづくりの推進のたる研究めの生活空間に関する・動作に着目した住宅空間のガイドラインに関する 研究研究 企業、大学等の研究機・高齢者・障害者用緊急連絡システムの開発閑との交流の推進・高齢者対応型義足システムの開発研究 福祉現場の今日的課題・高齢者・障害者の移動機器の最適処方に関する研についての工学的視点究開発 からの研究開発 W 新たな仕組みの導入1 日的 時代の要請に対応した科学技術政策の戦略的かつ総合的な展開を図っていくため、県立試験研究機関のあり方については、平成11年3月の「試験研究機関のあり方検討懇話会」から、評価の実施等の総合的マネジメント体制の確立、技術 ・情報サービス機能の充実、検査分析機能の外部化、新しい研究システムの導入、外部研究員の活用等による人材の活性化・育成などについて提言を受けた。 また、平成11年10月の「県立試験研究機関評価委員会」の報告でも、総合的マネジメント体制の確立が提言されるとともに、今後の方向、課題として、地域科学技術行政サービス機関への特化、大学との連携強化について提言された。 平成12年度は、このような従前の経過と今回の「科学技術会議・評価委員会」における意見、提言を踏まえ、研究マネジメント機能の強化、人材の育成・活性化、普及指導体制の充実、外部資源の積極的活用など、県立試験研究機関が地域における科学技術振興の担い手としての機能を十分発揮するための新たな仕組みについて導入を検討し、順次具体化を図ることとする。 2 具体的取り組み (1)総合的マネジメント体制の確立ア r兵庫県科学技術会議」における総合調整兵庫県科学技術会議において、県の科学技術政策の方向と具体的方策について提言・意見を得る。 また、評価システムを構築し、その中での外部評価機関として位置づけ、全庁的な研究課題や業務について評価を行う。 イ 継続的、定期的な評価の実施 (ア) 評価システムの構築 社会経済情勢の変化や県民・業界のニーズを踏まえた効果的・効率的な試験研究や普及指導等の業務を行うため、事前・中間・事後の各段階において継続的、定期的に研究課題評価を行うとともに、各県立試験研究機関の運営全般を対象とした機関評価を行う仕組みを構築する。 なお、重要政策課題、部局横断的な課題、多額の資源投入を必要とする課題等については、全庁的な観点から評価を行い、それ以外の課題については、部局と試験研究棟関で評価を行う重層的な評価システムを検討する。 (イ) 外部評価の導入と評価結果の公表 評価の客観性を確保するため、外部の専門家や有識者による外部評価を導入するとともに、県民に対するアカウンタビリティの一層の向上を図るため、評価結果の公表を行う。 ウ 研究マネジメント機能の充実 (ア)研究資源の効果的、効率的配分を行うため、研究課題等の評価・進行管理、研究実施体制の調整、他機関とのプロジェクト研究や共同研究に係る企画調整など、研究マネジメント機能の充実を図る。 このため、各県立試験研究機関に研究マネジメント担当部門を設置、充実するとともに、研究企画調整のための協議体制を整備する。 (イ)年度途中に生じた新たな研究課題等に機動的に対応できるよう、研究機関内で一部留保した研究費を必要に応じて使用できるような柔軟な研究予算制度の導入を検討する。 また、研究の効果的な推進のため、国・関係機関等の外部資金の積極的導入を図る。 工 新しい研究システムの導入 地域の技術課題の複雑化、広汎化に伴い、県単独で取り組むのではなく、地域の研究資源の効率的活用の観点から、大学、国・民間の研究機関、ユーザーとの連携・協力の下に、課題に応じて学際的かつ柔軟に取り組むことができる「プロジェクト型研究」への参画など新たな研究システムの導入を検討する。 オ 研究資源配分や研究実施における貢任体制の明確化 行政ニーズに対応した研究を柔軟かつ計画的に実施するため、例えば、担当部長制の導入やチームによる研究の実施など機動的、弾力的な組織体制等の導入を検討する。 明確な研究目標と期限を設定し、研究を総括する責任者や個別研究課題の執行責任者を明確にして、進行管理を行うことにより、研究資源の効果的、効率的配分、研究の計画的実施を進める。 (2)人材の育成、活性化ア 職員研修の充実県立試験研究機関において、県民や業界等に対する普及指導等のサービス機能を強化することについて、意識啓発を行い、職員の理解を促進する。 県民や業界の要請に的確かつ迅速に対応した業務執行を推進するため、職員研修を充実し、研究員のマネジメント能力、コーディネート能力等の向上を促進する。 イ 柔軟な任用・人事管理制度の導入 研究コーディネート能力をはじめ、研究員の.能力の開発と発揮のため、他の行政、研究機関等との人事交流の活発化を図るとともに、研究員が、関係機関や団体などにおいて、一定期間様々な経験を積むことができるキャリアパスの仕組みを検討する。 研究課題や業務の複雑・高度化に対応した迅速かつ効率的な業務遂行と、組織の活性化を図るため、外部研究員の活用、任期付研究員制度の導入、研究成果を普及・活用するために民間企業の業務に従事できる仕組みなど、柔軟な採用・人事管理制度の整備を検討する。 り 研究員の業務経験等に応じた評価の推進県立試験研究機関が情報提供や普及指導業務を中心に、行政サービスの向上を図ることに伴い、研究コーディネート、普及指導等の業務経験等に応じた評価を行う。 (3)普及指導体制の充実 今後の県立試験研究機関の中核的な業務となる県民や業界に対する技術相談、 普及活動の充実を図り、ユーザーのニーズや市場動向に対応した技術移転を通じ て、産業育成や地域振興、県民福祉の向上を図る。 このため、研究成果の市場価値や実現可能性を十分に踏まえながら、積極的に研究成果の提供、公表を進める。 (4)外部資源の揖極的活用ア 試験分析業務等の外部化の推進 各分野において民間の試験分析機閑が成立しつつある中で、民間では提供が不可能又は不十分である場合や民間では適切に提供できないものは行政が提供するという公民の役割分担の視点に立って、試験分析業務については、原則として外部化する。外部化に当たっては、行政責任にも十分配慮しながら、サービスの質やコスト等を総合的に判断し、民間の方が効果的、効率的にサービス提供ができるものについて、民間委託を推進する。 また、研究についても、外部のノウハウを活用した方が効果的、効率的なものについては、民間委託を進める。 イ マーケテイング、商品化業務等の専門機関の活用の推進 県立試験研究機関の研究成果を新産業創造や新事業創出に結びつけていくため、研究成果の商品化や企業化など実用化を促進する業務においては、専門機関の活用を図る。 ウ エージェンシー化の研究 国立試験研究機関等の独立行政法人化の動向を踏まえ、知的資産を活用した機動的、自律的な業務運営手法の導入や試験研究業務の財団等への移管等により、効率的な業務執行を推進するエージェンシー化の導入可能性について研究を行う。 【本報告書についての問い合わせ先】文部科学省科学技術政策研究所第 3調査研究グループ 〒10 -0014千代田区霞ヶ関 1-3-2郵政事業庁舎内 Tel:03-3581-2419 (筆者は2001年 4月に転勤となったため、第 3調査研究グループの岡特別研究員を通じて、連絡をお廉いいたします。 E-ma=:okaenistep.go.jp)